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第136回 「一つだけ確実なこと」

2017年01月05日

株式会社マネーパートナーズ ホームページ寄稿     2017年 1月

 2017年の世界経済のキーワードは不確実性だと云われる。その通りだろう。去年世界中で起ったさまざまな事件の余燼がまだ全く収まっていないのだから確実なことなど云える筈がない。ならば、日本のことなら多少確実に判るかと云われても仲々そうは行かない。GDPに対する輸出入額の比率がここ20年で倍増していることにも示されるように、日本経済はこのところ、国内の停滞を反映して、急速に対外依存を高めている。早い話が為替相場は本来相手が外にいるわけだから、相手の事情でどうにでも動いてしまう。2017年の円の為替相場を動かす要因は国内にはなく、FEDの金利政策、トランプ政権の財政政策と貿易政策、EUの金融情勢ということだろうが、こういう問題について日本人が一番洞察力があるとは残念ながら云えない。ということで、今年は不確実性の高い年になるのである。

 しかし、こういう変動要素の大きい問題とは別に、日本経済については、確実に憂慮しなければならない事態が進行しているのではないか。最近の国内メディアの論調で眼につくのは日本経済の現況についての自己満足と云える安心感である。曰く、米・中経済の安定で日本経済の環境は良くなっている。曰く、円安・株高で雇用情勢、企業収益、所得、消費も徐々に回復している。曰く、その結果、成長率も潜在成長率を上廻っている。曰く、種々の構造改革も一歩づつではあるが前進している。曰く、国民の安心感は高い内閣支持率に反映されている。

 数字はいずれも間違いではないのだが、全体のトーンが何やら呪術師の自己催眠術のように聞えるのは私の僻みだろうか。日本経済の現状を縦割りした一枚の写真として見れば長閑に写っているだろう。しかし忘れてはならないのは、日本経済の国際的立場が着実に劣化を続けているという現実である。日本の成長率は日本の基準からすれば悪くないのかも知れないが、米国より、中国より、EUより、アジア諸国より低い。つまり、日本経済の存在は日に日に小さくなっているのである。

 かつての技術大国も衰えた。製造業の国際競争力、高等教育のランキング、特許出願数、論文引用数、IT起業数、コンピューターの性能等々さまざまな基準で計られる技術力指数は明らかに日本の相対的地位の低下を物語っている。

 とくに衝撃的なのは隣国中国との力の格差の拡大だろう。あっという間に日本を抜き去った中国経済は、今や日本の3倍近い規模に達し、その差は拡がり続けている。かつては、真似るか、盗むかと云われていた技術力も今は製造工業、IT、サイバー、宇宙等々広汎な分野でキャッチアップを達成している。この力関係の変化はアジアにおける外交関係にも反映されている。

 要するに、日本経済の現状は、静止画面で見れば尤もらしく見えるかも知れないが、そのアジアにおける、世界における比重と発言力は着実に萎縮を続けているという現実は忘れてはならないのである。

 2017年は不確実性の年だろう。しかし、日本人として何とか日本経済の国際的地位の低下に歯止めをかけねばならぬというのが確実な課題ではないだろうか。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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