FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外国為替古今東西

最新の記事

第152回 「相当な強か者」

2018年05月01日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2018年 5月

 トランプの貿易政策に対して世界中から批判が沸き起こっている。曰く「一方的に関税を引き上げて輸入を減らそうという自国産業保護主義は輸出国のみならず米国の消費者をも害する自殺行為である」。曰く「WTOやTPPのような自由貿易を目指す多国間の取決めに反対して二国間交渉で取引きを行なうやり方は世界貿易を萎縮させ世界経済の発展を阻害するものである」、等々。

 トランプの発想は単純明快である。曰く「米国がある国との貿易で赤字を出しているということは、その国が不公正なやり方で米国に輸出しているからであって、関税を高くして輸出を減らせば、米国内での生産が必要になり雇用も増える」、曰く「中国は多年に亘り米国から技術を奪い、それを使った製品を米国に売り込んできた。もうそのような製品を米国が買う必要はない」、曰く、「今迄の多国間の交渉で米国は何時も不当な負担を強いられ、ほかの国はそれで甘い汁を吸ってきた。これからは二国間の話で損得をはっきりさせるのだ。」、どちらの理屈が正しいかは立場によって決まるのだろう。国際世論が圧倒的にトランプ非難である一方、米国内ではトランプ支持は意外に根強く、しかもじりじりと拡がっている。それは一つには中国が急速に米国を追い上げていることに対する危機感の故であり、一つには貿易に限らず他の分野での二国間交渉におけるトランプの取引戦略の威力が大方の予想を上回るものだからである。

 多分何処かで手打ちになるのだろうが、トランプ流の奔放な駆け引きに振り回される関係諸国にすればたまったものではないというところだろう。

 同じようなことがトランプ減税についても云える。トランプ減税は当初は国際的にも国内の民主党系からも不評であった。しかし法案が案に相異して成立し、その景気刺激効果がはっきりして来ると、評価は大きく変わった。現在、米国経済の力強い成長の主要な柱がトランプ減税であることを否定する米国人はいない。今年、来年の世界経済が、IMFも認めるように、予想以上にバラ色になったのは一にも二にも米国と中国の経済運営が概して上手く行っているからである。減税の結果財政赤字が増えて米国の長期金利が上昇し、米国への資本還流が増えることへの危惧を述べる声はあるが、好景気が消えても良いというものではない。

 要するに、昨年迄は、失敗確実、破局到来のように宣伝されていたトランプ大統領の治世はしぶとく生き延びていると考える必要がある。相当の強か者であることは既に証明された。これからの決定的な課題は、トランプの下でアメリカは本当に復活するだろうかということである。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、取引の額の4%の額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ