FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外国為替古今東西

最新の記事

第168回「トランプ再選」

2019年09月02日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2019年 9月

 アメリカの大統領選挙もあと一年に迫って選挙戦も急速に本気度を高めてきた。それにしても今回の選挙は国内環境から云っても、国際情勢から云っても、前例のない画期的なものになることが明らかになった。云う迄もなくその背景を作ったのは第一に世界秩序が第二次世界大戦後始めての本格的な転換期に入ったことであり、第二にはその時期に世界の覇権国アメリカにトランプという異形の大統領が君臨しているという事実である。

 今日の世界を眺めて現象的に一番目立って面白いのは、昨日迄の非常識が全く常識と化しており、人々ももうそのことに何も言あげしなくなっていることである。三年前にトランプがティーンエイジャーのようにツイッターを使って自由気ままなメッセージを送り始めた時、世界の驚きは正にショック死寸前だった。伝統的な外交のルールも慣習も無視して大国の首脳が勝手放題に自説を世界にばらまくなどと云うことは、信じ難く、許し難いことと思われたのである。ところがどうだろう。今や世界中の首脳が、法王まで含めて、同じことをやっているのに、非難も批判の声も全くない。

   数年前迄グローバリゼーションは不可逆な歴史であるという世界的な合意があり、したがって、ヒト、モノ、カネの流れは多角的に自由になるのが望ましく正しいことだとされていた。ところが今や誰もが二国間の貿易交渉に精を出し、多国間の交渉のニュースよりもその会場の外で行なわれた二国間交渉に関心が集まる。

 アメリカも国内外共に歴史的な変化の中にある。来年秋の選挙がとくに重要なのは、アメリカの有権者達がその変化に気づき、それに対応するために、何をしなければならないのだろうかということを考え始めた最初の選挙になるだろうからである。

 アメリカは依存世界一の大国であるけれど、その政治・経済・社会では深刻な制度疲労が進んでいる。貧富の格差は危機的な水準に達している。かつてはそれを補った機会の均等も失われた。アメリカン・ドリームは今や絵に画いた餅になろうとしている。相変わらず大量の移民が流入しているが、かつてのように新天地で良きアメリカ市民になろうという決意と希望を持った者は減り、言葉も考え方も違った異質の社会を作って安住しようという傾向が露わになっている。その結果、多くの庶民達は社会の中で自分達が正当に、親切に扱われていないという不満を滾らせている。政治家や指導者に対する信頼は失われた。

 世界はこういうアメリカの悩みを理解しない。アメリカの内向き指向、自国優先主義を非難して世界の指導国家としての意識の欠如、資格の喪失を弾劾する。

 アメリカはどうしたら良いのだろうか。アメリカはどういう国になろうとすべきなのだろうか。今、心あるアメリカ人は、多かれ少なかれ、アメリカがこういう深刻な課題を抱えていることに気付き始めていると思う。

 アメリカは建国の精神に立ち戻り、敬虔な信仰に導かれ、個人の自由と独立を追い続けるべきなのか。それともリベラルでグローバルな視点で社会を見ながら、政治に大きな役割を果たさせるのか。

 トランプに対するアメリカ国内外の批判と敵意は一向に衰えない。なかにはヒットラーに準える者すらある。しかし、トランプが以上に指摘したようなアメリカの歴史的難問を明白に提示した初めての大統領だったことは否定できない。彼に先立つ大統領達の中には誰一人として国民にこの難問を突き付けた者はいなかった。

 勿論、トランプが少くともその第一期中にはこの難問を何も解決できなかったことは事実である。彼の反対者達は彼が予想を絶するスタイルで難問提起をしながら、それを解決できないことを批判の材料にしている。

 来年の選挙はアメリカの有権者が第一期のパフォーマンスを見て、トランプには難問解決の能力が無いと判断するか、それとも、もう四年間チャンスを与えてやるかと考えるかが決まる選挙なのである。

 お前の考えはどうだと聞かれれば、今日の答えということであれば、トランプは再選されるだろう。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ