株式会社マネーパートナーズ ホームページ寄稿     二〇一九年 十二月

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第171回「憐憫か称賛か」

2019年12月02日

株式会社マネーパートナーズ ホームページ寄稿     二〇一九年 十二月

 世界経済の先行きについての見通しが段々と厳しくなっている。トランプ政権のかなり強引な景気維持策で何とか株高、雇用増を維持しているアメリカ経済もいよいよ息切れするのではないかという反トランプ派の期待を含んだ思惑もある。かねてからオーバーに懸念されている米中貿易戦争による世界貿易の縮小、EU経済の減速、BREXIT、中国の成長鈍化、中南米経済の相変わらずの混迷等々不安の種子を挙げればきりがないのは事実だ。IMFもOECDも今年来年の世界経済成長見通しを下方修正し、世界同時不況を避けるためには、各国が財政政策を使って投資、消費を増やさねばならないと警鐘をならしている。
 
 確かに、世界中の中央銀行が競って金融を緩和し、金利は限りなくゼロに近付いているのに、借金をして投資を増やそうという企業が現れないのはどうしてなんだろうか。
やはり、リーマン・ショックやユーロ危機という今迄にない経験を経て、またIT革命が実体経済を確実に変えている現実を前にして、世界経済の風土とでも呼ぶべきものがかなり変わってきていることを感じる。

 まず第一には、世界経済が毎年五、六%も拡大するような時代はもう帰ってこないと皆が思っているということだろう。環境問題、資源問題、格差拡大への批判、BRICSの苦境等を背景にして、GDP第一主義は影が薄くなり、毎年三、四%も成長できれば御の字だという空気が拡がっている。

 とくに重要なのは、かつて世界経済を牽引した最大のエンジンであった中国経済の成長モデルが歴史的・構造的変化に遭遇したことであろう。中国経済の二桁成長が五%台に迄減速したことは米中貿易戦争やリーマン・ショック後の過剰投資と無縁ではないが、基本的には人口動態や資本の生産性等の成熟で中国の成長パターンが変わらざるを得なくなったことの反映である。つまり、減速は構造的であって一過性ではない。

 もう一つ重要なのは、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティング等々のIT技術の発達によって、産業の進化が昔のようにインクリメンタル(漸進、継続型)ではなくディスラプティヴ(破裂型)になったため、投資の形態が生産力増強よりもソフトウェアの整備や人的資産の確保にシフトしていることである。

 こういう変化によって、伝統的なモノへの投資は減少し、それに支えられて来たGDP成長率は必然的に低下するということなのである。しかもこういう傾向は二十世紀末以来世界経済を支えて来た米国と中国という第一、第二の大国でもっとも顕著なのである。世界は低成長時代の到来を覚悟しなければならないだろう。

 日本は一体どうなるのだろう。面白いことに、昨今世界における日本の評価は見事に二分されている。一つは悲観論。人口構成の急速な悪化、企業の競争力・知的競争力の低下、財政の劣化により地政学的な国際的発言力も徐々に失われている。

 しかし、他方では日本は米国との安定した同盟関係、国内の平穏な政治・社会情勢のお陰で人口が減って1人当たりの所得は上昇しており、格差の拡大も抑えられているという先進国の中でも珍しい経済を実現しているという観方をする人もいる。つまり、憐憫か称賛のどちらかということ。

 考えてみれば二十世紀以来日本は何時も、驚嘆か猜忌、恐怖か憎悪、羨望か嫉妬、畏怖か冷笑というような混沌とした世界の目にさらされてきた。世界から見ると良く判らない国ということなんだろう。憐憫か称賛、さてどっちが正しいだろう。


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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


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