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第731回 2017年11月2日~8日までの為替見通し

2017年11月02日

 いよいよ11月5日にトランプ氏来日ですね。
 前回、アメリカ大統領が来日したのは2014年4月。当時のオバマ大統領は夫人を伴わず日本にやってきました。妻のミッシェル夫人は娘と一足先に中国を訪問し、中国への配慮を優先した、と伝えられたものです。

 ちなみに当時の為替は銀行間レートで102.73前後。そして、その年の後半には120円相場に突入しました。今回も似た展開になるのか、どうか。

 ところで、トランプ大統領は何をしにアジアを歴訪するのか? そもそも論で推定してみると、今年4月、習氏が訪米した際、話題に上った北朝鮮への対応で、「圧力強化」を要請したアメリカに対して習氏は北京党大会を無事に終わらせたいとの認識を示したといわれます。

 その懸案の北京党大会で後期5年体制に手を打った習氏。4月の案件の今後を確認する意味合いが強いのではないかと思います。尖閣や南シナ海問題、北朝鮮への圧力、貿易問題など米中ですり合わせる項目は多数ありますが、現在のところ、尖閣、南シナ海問題等は緊迫度において収束傾向が見られます。

 トランプ大統領には毀誉褒貶も多々ありますが、それでも仕事は着実にこなしています。メディアでは「大丈夫か」と懐疑的だった債務上限問題もクリア。減税法案可決に足掛かりを付けましたし、株価上昇も続いています。

 債務上限問題をクリアした点では、もし、何か起こっても予算のめどがつけられることの示唆と受け止められますし、株価の上昇はFRB議長人事も含め、トランプ氏の今後の施策でアメリカ企業が潤う期待があるといえます。

 となると訪日、訪中では米国債とアメリカの国益拡大の観点で見ておくべきところがあると思います。トランプ氏は中国がかつてのように「米国債は購入するがアクティビスト並みにふるまう」可能性を排除しておきたいことでしょう。それには中国が国際機構を通じて手配中の郭文贵氏の存在が効いてくると思います。同氏は米国に逃げ込んでおり、スノーデン氏さながら、習氏にとってきわめて不都合な材料をSNSを通じて発信し続けています。アメリカにはその材料カードがあるわけですね。
 その訪中のタイミングを狙ったかのようにアメリカでのテロ、トランプ氏側近のロシア問題が出てきたことは実に興味深い現象です。
 日本には米国債への応札もさることながら三期目の芽も出てきた安倍首相と極東唯一の信頼関係をより深め、軍事面でのコンセンサスも深めたいということがあると思います。
 これらをつなぎ合わせると、私にはトランプ氏は2018年11月、米国で実施される中間選挙にむけて着々と対策している、と見えます。
 ということは北朝鮮に対する軍事オプションはすくではない、ということが言えるのではないでしょうか。

 であれば、為替、株価も時々はトランプ氏のロシア疑惑やそれに類する様々な毀誉褒貶などの冷や水を浴びながらも「金利が高い国の通貨は高い」=出口戦略模索の米ドル、ユーロに対して「インフレ国の通貨は安い」=インフレ起こしを継続している日本円は安い、という基本にそった流れがしばし続くのではないかと思います。

今週の各通貨の予想レンジは以下の通りです。
ご参考になれば幸いです。

●ドル円
上値抵抗114.220
均衡113.864
下値支持113.117

●ユーロ円
上値抵抗134.496
均衡132.811-132.530
下値支持131.126-113.407

●豪ドル円
上値抵抗89.147
均衡87.528
下値支持85.461-85.640


※当コラムは毎週木曜日の更新です(木曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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