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第747回 2018年3月1日~7日までの為替見通し

2018年03月01日

 アメリカ・パウエル新FRB議長の金融サービス委員会での証言が終わりました。市場では新議長がどのような発言をするかで利上げ速度を図ろうとニュアンスの聞き取りに熱心ですが、トランプ大統領が指名した議長だけにさほど特異な内容であるはずもなく、きわめて常識的な内容でした。
 経済情勢に適宜、対応するとして利上げを3~4回程度、行っていくという見解にタカ派とみる向きが多いようですが、インフレ率を2.5%程度は容認する姿勢も見せ、柔軟に対処していくものと考えられます。
 折から発表されたアメリカ・1月の中古住宅販売件数が8年ぶりの落ち込みで、利上げスピード加速思惑の後退の後押しもあり、まずまずの新議長体制の船出とみなせるのではないでしょうか。

 トランプ減税で浮いた税金分を従業員に臨時ボーナスとして還元する法人の動きが増加しているアメリカで、その支給金がまだ個人の中古住宅購入にまで広がっていないとみるか、どうかは考察を要しますが、弱い指標は勿怪の幸いです。
 トランプ大統領が着々と選挙公約を実現していく過程で次の山場は3月23日のトランプ予算教書の議会承認を含めた暫定予算期限切れ対応でしょう。債務上限問題では与野党合意が図られていることから、大きな対立点はないといわれますが、トランプ予算教書が可決されれば、財政赤字拡大が為替にどの程度、響いてくるか、要検討です。
 このままいくとアメリカ財政赤字の拡大は次第に懸念されるようになり、ドル安圧力になりかねません。すると米国ファイナンスの観点からドル金利を強めにするしかなくなるかもしれません。
 それを緩やかなものにするために、日本が米国債購入額を増やす動機は高まりやすくなり、その購入額いかんではドル買い、円売り効果で為替相場に一定の円高歯止めとなるかもしれず、日本の帳尻合わせを日米双方が望むところ、という見方もできるかもしれません。
 いずれにせよ、まだ、ドル安円高の振動は弱まったとは言いきれないため、フレームをトランプ就任一年目の114-108円レンジから二年目は110-104円レンジとなるのかどうか、今しばらく様子を見たいところです。

 トランプ大統領とパウエルFRB議長のこれから歩く為替金融道は「将来、ドル高が期待できる金利政策」のカードを切りつつ、アメリカ企業の業績に寄与するであろう米ドル水準を維持するために金利上昇で上がるレート分をややドル安にスタート地点を都度都度引き下げていくというところなのかな、と想像します。

 何しろトランプ氏の予算教書が議会で承認された場合、発生する巨額の財政赤字を法人減税策を実施したばかりのアメリカでどう消化していくのか、金を購入し続けているといわれる中国やその金鉱脈が眠るといわれる北朝鮮も大いに関心を持っていることだろうと思います。もちろん、為替トレードに感心を持つ私たちも。

 というわけで今週の為替レンジを以下のように想定しました。ご参考になれば幸いです。

●ドル円
上値抵抗107.398-107.810
均衡 106.723
下値支持105.728-104.813

●ユーロ円
上値抵抗132.186
均衡131.585
下値支持128.163

●豪ドル円
上値抵抗84.817
均衡83.387\82.722
下値支持81.557-80.436


※当コラムは毎週木曜日の更新です(木曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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