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第756回 2018年5月10日~16日までの為替見通し

2018年05月10日

今週の各通貨の予想レンジは以下の通りです。
●ドル円
上値抵抗111.016-110.423
均衡109.236-108.643
下値支持107.753-107.959

●ユーロ円
上値抵抗131.044
均衡129.066
下値支持128.077-127.418

●豪ドル円
上値抵抗83.694-82.799
均衡81.396-81.593
下値支持80.407


 そもそも論で言えば、中国とアメリカの覇権国家争いをベースにした北朝鮮問題への対応で中国、韓国、日本、アメリカ間で政治的駆け引きが続き、為替、株などのマーケットはこの結末がはたしてどこに、どういう具合に着地するのか、と様子見が続いています。

 経済指標やFOMCの政策、場合によっては原油やドル建ての商品価格が為替に影響するより、政治的要因を為替が気にしているのは実はリスクの潜在化という点でけして楽観できない事態です。

 それはともかく、北朝鮮はアメリカからの苛烈なプレッシャーに対して、かつてクリントン大統領時代に訪朝したオルブライト国務長官の耳元で「北朝鮮はどの国よりも親米の気持ちを持っている」とささやいたといわれる手口をほうふつとさせる動きをしているように見えます。
アメリカの拉致被害者解放もその一環かと思います。

 一方で、親戚筋の中国にも盛んに接触しています。中国は北朝鮮問題にアメリカ、日本をひきつけておきたいのだと推測します。
空母建造も進み、太平洋側の防衛拠点として尖閣や南シナ海を実効支配し、既成事実化することでこの海域を死守したいとみられます。
そのためには米軍の韓国への高高度防衛ミサイル配備阻止も重要で、アメリカがそこを突き、突破してくることを回避したいとの考えがあるだろうと思います。

 インドネシアのついでに訪日する、という強い姿勢の中国はGDPで日本の2倍強となって久しく、GDP世界1のアメリカ(中国の1.7倍)に2025年目標で追い抜こうとしています。
 その中国が、中国と北朝鮮に非常に親近感を持っているように見られる韓国・文在寅大統領とともに日本にわざわざやってくることの背景を今一度、よく検討しなければならないでしょう。
 中国は件の目的遂行のために韓国の次に日本ともより深く付き合いたいのだろうと思います。何しろ中国はトップの任期がない国になってしまいましたから、トランプ大統領や安倍首相後の日米同盟の行方も熟慮しているのだろうと思います。
為替のストラテジー上、いっそのこと、「一帯一路マネー圏でも作ろうというのか? 」ぐらいの大きな視点から今回の北朝鮮問題を俯瞰してみる視座があってもいいのではないかと思います。

 さあ、そうなると米ドル、そしてそのレートはどこに着地するのか? 
 為替の沈黙はもちろん思考停止故ではなく、米国の立ち位置検証を思考するがゆえでしょう。

 ただし、米国の戦略筋は米ドルが当面底抜けしないようにドル建て商品である原油で手当て済みとも受け取れるイラン核合意破棄との行動を見せています。
 板門店での感動的手つなぎショットのアメリカ・トランプバージョン再演にいったんはショーマンとして魅了されたトランプ大統領が板門店での金正恩氏との面談案を捨てた賢明さから、キープ・アメリカ作戦もまた、中国の2025年覇権とガチンコの様相のように思えます。


※当コラムは毎週木曜日の更新です(木曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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