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第770回 2018年8月16日~24日までの為替見通し

2018年08月16日

今週の各通貨の予想レンジは以下の通りです。

●ドル円
上値抵抗111.379-111.020
均衡110.859
下値支持①110.231
下値支持②108.803

●ユーロ円
上値抵抗126.156
均衡124.292-124.938
下値支持123.189

●豪ドル円
上値抵抗82.234-82.722
均衡81.713-81.682
下値支持①80.020
下値支持②78.981


 8月13日はトルコリラ急落で各通貨にも格好の突っ込みとなり、トレードチャンス満載週となりましたね。
 小休止しているのか、一応、収束したのかは不明ですが、これからトルコリラだけでなく、各通貨に本格的な影響がでるとみておくほうがいいと思います。
 というのも、仕掛け人はアメリカ・トランプ大統領で、今回の対トルコ施策は本丸・中国元にさまざま実施するときの予行演習と思えるからです。

 まず、貿易不均衡を改めない等、アメリカにとって見過ごせない国の製品に関税をかけます。するとアメリカに流入した製品はアメリカ国内での価格競争に負け、販売不振に陥り、次第に貿易黒字がへり、外貨準備も減少します。
 対抗してアメリカから輸出されてくる製品に関税をかけると輸入物価が上昇し、インフレになります。
 インフレ国の通貨は安くなり、通貨安は貿易有利になるものですが、関税によって輸出では苦戦が続きます。しかも通貨安を阻止するために金利を上げれば、借金の大きい国、個人はツンでいきます。

 これがトルコの場合は貸し込んでいるユーロ圏の金融機関の信用不安につながり、中国の場合は元安→金利上昇→理財商品破綻などの金融不安を醸成することになり、アメリカにマネー潮流ができることになります。
 するとアメリカはFOMCで政策金利を頻繁に引き上げなくても米国債や株式市場にお金が集まってくることになります。
 関税引き上げはそのための装置とみなせば、畑をつぶして各地に巨大都市を作り続け、食料自給率が低下し、アメリカ産の大豆、トウモロコシ、大麦小麦を輸入せざるを得ない中国にとっては厳しく、いずれ、どこかでアメリカと折り合わざるを得ないでしょう。

 ただ、中国も北朝鮮も、そしてトルコもトランプ氏が再選されないと読んでいると伝えられます。「トランプ氏とんでも説」を本にして暴露する元側近の登場もあり、アメリカ・民主党のヒラリー&オバマという反トランプ派の動きも見ながら、トランプ流の施策を柳に風と受け流し、流れが変わるのを「待つ」戦略と見られます。ただし、これも習近平氏への国内不満が爆発しないことが前提。
 
 李克強氏という習氏にとっての手ごわい相手の浮上もあり得る今、11月6日の米中間選挙後、トランプ発の本格的な対中戦略が打たれる可能性は高く、その流れがもたらす大変動には備えておくべきでしょう。トレーダーは今こそ、2007年パリバショックの翌年、大金融波乱が起きたことを思い起こす時かもしれませんね。
 
 
※当コラムは毎週木曜日の更新です(木曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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