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第825回 2019年9月26日~10月2日までの為替見通し

2019年09月26日

次の更新までの各通貨の予想レンジは以下の通りです。
●米ドル円
上値抵抗108.282
均衡107.740-117.231
下値支持106.498


●ユーロ円
上値抵抗119.126
均衡118.494
下値支持117.090

●豪ドル円
上値抵抗74.057
均衡72.299
下値支持71.789


昨日、講演会で登壇し、そのあとのディスカッションで話していくうちにユーロに対して新たな見方をしてみようと思いました。
ユーロが円に対して銀行間レートで最高値を付けたのは2014年12月。
ユーロが米ドルに対して銀行間レートで最高値を付けたのは2008年4月。

現在、ユーロは米ドルに対しても円に対しても右肩下がりの安値傾向です。これは一体どう考えればいいのか?
まずブレグジット問題とからめると、もともとイギリスは通貨ポンドを使用し、通貨ユーロとは独立した関係でした。
ブレグジットはユーロ.・ルールからの離脱で、イギリス議会がEU議会の下にある状態の解消です。
このブレグジットがことのほか大きなインパクトとなり、通貨ユーロの安値への導線になっています。
なんともわかりにくいブレグジット問題。
不思議な騒動だとずっと観察しつつ、いろんなシナリオメイキングをしていたのですが、ブレグジットは一種のショーなんだと考えると得心の行くところがあります。
要は何としてもユーロ安値を実現させようとする意志の一環から生じているのがブレグジット問題なのではないかと。
「誰が何のために」という主体の問題は置いて話を進めます。
ユーロの主役は輸出大国ドイツです。ユーロが安くなることでドイツの輸出は息を吹き返せます。逆にユーロが高値どまりするとドイツの貿易黒字は減少します。国内経済は弱体化し日本が円高で輸出企業が困窮した時のような状態になるわけですね。

ところが現在はユーロ安。するとドイツは輸出が伸びます。最近のドイツは株価堅調、不動産価格急騰、対外純資産額が増加し、中国を抜き、日本に迫る勢いです。

ECBではマイナス金利を導入し、日本同様リフレ政策をとっています。
このことで誰が、どの国がもっとも利益を獲得するのか。あるいは困窮するのか。

それを考えると第二次世界大戦の敗戦国である日本とドイツの富を増やすことで米国債ファイナンスを有利に導き、中国の「もの言う株主力」を低下させることにもチャンスとなるアメリカは得。
中国は面白くない状態ですね。ユーロ安でドイツ経済が力を取り戻すと中国からの投資を跳ね返してくる点で中国のドイツにおけるパワーは減退します。
ユーロ安は中国の対外純資産額を減らし、中国がドイツ株売却、元転時に不利となります。
ユーロ安の中国への影響を考えると、欧米の中国に対する「これ以上の台頭は許さない」というメッセージに感じられます。

よって、来年1月11日の台湾総統選挙をにらみながら、ユーロ安傾向はトレンドとしてなお続くのではないかと考えています。

10月1日の中国建国70周年。日本のメディア、とりわけテレビでは消費増税番組が多いですが、トレーデングにはグローバルな視点が大切ですね。
そしてこうした流れの中でスウェーデンの環境少女・グレダさんやトランプ大統領のウクライナ電話会談疑惑問題の背景を検討する必要があるでしょう。

米中問題だけではない欧米VS 中国問題。「ドクトリンの違い」ととらえるとどちらが正しいとの判定はできませんが、少なくとも大中華帝国思想のような脅威を中国に感じ、欧米は嫌がっているのだろうと思います。
というわけで「どこまで続くユーロ安」。動画「木村佳子チャンネル」
でも当コラムでの視点を随時、掘り下げていきたいと思います。

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】


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