●ドル円
上値抵抗107.384-108.038
均衡107.061
下値支持106.070-105.823
●ユーロ円
上値抵抗122.979
均衡121.384
下値支持120.793
●豪ドル円
上値抵抗76.491
均衡74.917-74,327
下値支持72,951
かねてより中国のメディアへの投資は巨額で、報道にバイヤスがかかっている可能性を指摘する声がありました。
それが今年のアメリカ大統領選挙の事前アンケートに表れている、という意見をよく耳にします。
確かに、これまでのアンケートでは今年の大統領選挙において、目下のところトランプ大統領が劣勢でバイデン氏が優勢。そんな報道が相次いでいます。
しかし、アメリカ議会では共和党・民主党問わず中国に厳しい見方をする議員が多く、オバマ政権時代、副大統領を務め、その期間、ずっと親中政策だったといわれるバイデン氏が本当にトランプ大統領の対抗馬となりえるかは疑問です。
トランプ大統領にしてみれば、株価は高騰。コロナ前までは歴史的に失業の率も低かったのに、何故、バイデン氏が優勢なのかと腹立たしいはずです。
そんなこんなに業を煮やしてか、この度、ついに選挙対策担当者を降格させました。
そして、バイデン氏との違いをより鮮明にするかのように中国が香港国家安全維持法を成立させたことを受け、香港の優遇措置を廃止する法案に大統領署名。
やることはやる、強い大統領という戦略を感じます。
さらに、香港大学の女性ウイルス研究者が米国に亡命。WHOと中国の癒着を暴露する動きとみられ、今後、トランプ大統領が再選を決めるためにそのカードをもバイデン氏阻止に切ってくる可能性もありそうです。
日本では中国・習近平氏の国賓招致に反対する自民党有志が意見表明。尖閣諸島への中国軍の航行がその行動のトリガーになっています。それを親中派といわれる有力議員が打ち消すかのように動き、こちらも国家の進路として嫌中か、親中か党内で割れています。
どちらのスタンスが政治リーダーの承認要求を満たすか、大衆を動かせるのか?
対中国政策がやがては大きな動きにつながりかねない状況になってきているのです。
そこにこんな話まで出てきています。
「中国は国家ではない」という香港経済人が出現し、米議会に強く働きかけているとアジア系のメディアが伝えています。
その経済人へのインタビュー記事によると「中国は15ほどの大富豪ファミリーが経済を動かしていて、その実行部隊が共産党なのだ」「その構造を踏まえて中国経済を見た方がいい」というのです。
つまり中国がこれまで稼ぎ出した国富は15ファミリーが中抜きし、すでにそれらの資金は海外資産となって流出している。だから、世界が「中国の国富」だと信じている外貨準備は思われているほど潤沢ではないというのです。
「だから、今、中国が香港に手を伸ばしてきているのだ」と。
香港が持つ外貨準備高(米ドル)を中国資産にするために香港国家安全維持法を使っているというわけです。
「それほど中国は金詰まりで中国の実態はみんなが思っているほどよくない、ひっ迫している」
そう、聞くと「金融市場にはインパクト大」な話ですよね。
中国といえば世界的な外貨準備高を誇る国のはず。
しかし、「それは表面上で実は15ファミリーが中抜きをし、本当はそんなに外貨準備、すなわち米ドルはないのだ」と打ち消されれば「もしや」という「恐怖」の醸成装置になり得ますね。
トランプ政権ではそれを知った上で、かつてアメリカがソビエト連邦を追い込んだように、米ドル調達機能を持つ香港市場に介入して外貨準備に困窮する中国を追い詰めるというストーリーは「都市伝説」と眉に唾する人もいる一方で「ボラテイリティ創造装置として面白い」とか「中国の実態を今一度研究したい」と思う人も出てくるでしょう。
真偽のほどはわかりませんが、秋に向け、台湾、香港、尖閣をめぐって
なにやら動きがあるのかもという気持ちで情報分析にいそしむのも悪くありません。
新型コロナ感染者数がPCR検査数の伸びとともに増加している今、GO TOキャンペーンに踏み切るかやめておくかと紛糾している日本の閉会中審査ばかりに耳目を奪われていると、こうした米中対立の帰結を読みそこなってしまいそうですね。