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第249回 ~ドル高までしばらくの辛抱~

2017年06月21日

 FOMCはFF誘導金利の0.25%の引き上げを発表、この点では材料出尽くしでドル売りが当初の値動きであった。しかしバランスシート縮小について事前予想を上回ったことで、16日にはドル円は6月2日以来の111円台まで上昇、NY連銀のダドリー総裁のタカ派発言もあり、ドル高見通しが息を吹き返し綱引き相場になった感じだ。

 ある程度筆者のシナリオに近い相場展開だが、一方で今後の見通しについてはドル安見通しの声が多くなっているように聞こえる。その要因は多岐にわたる。物価の上昇率が鈍化し、住宅市況など米国経済にも足踏みがみられることから、米金利は低下し、日米金利差も縮小。トランプ大統領の政権運営も不透明、投資の重要な要素になっている安定性が揺らいでいる。これまでドル高予想を支えてきた要因が逆回転しているように見える。

 しかし筆者は、引き続きドル高見通しを維持している。その大きな理由は、一つは投資の3要素(安定性、成長性、利殖性)に米国の優位性は保たれている、またそれ以上に強まるとの見方を持っているからである。ドットチャートが米国の利上げペースを維持していることを示していること、現状の経済指標停滞も一時的と考えるとファンダメンタルズ的にも米国成長傾向には変わらないと予想していることである。

 したがって日米金利差は広がることはあっても縮小方向にはならないとみている。また、ドル安要因となる米国株式市場のバブル破裂懸念についても、前週末のIT銘柄FAAMG株急落も超短期で回復したことで、バブル破裂の心配も後退しドル安懸念も薄らいだ。

 一方、チャート的には、当面110.50円~111.50円を中心とする横ばい相場となろうが、よく見ると7月初めを収束点とする三角持ち合いを形成中である。来月の雇用統計は7月7日、そこで大きくドル高に上放れすると予想している。

 ところで、先週の回答の図は下記の通りである。


 結果を見ると売った方が利益が出るように見えるが、売っても買っても益も損もありうるとのチャートになっている。このためセミナーの席上でアンケートを取るとほとんどの場合半々、差があっても5.5対4.5であった。これが市場である。結論的には、仕掛けはどちらでもよいが、利食い水準と損切水準を決めておくことが重要だ、ということを説明している。

 相場が見えなくなったら、小さな金額でもともかく利食いライン、損切ラインを決めたうえでまずポジションを作る。そしてそのルールを確実に実行することが、相場動向を感じ、読むための訓練になる。

 さて、今後1週間の相場レンジは、ドル円は110.50-112.50円と予想。一方ユーロは、対ドルでは1.1050-1.1250、ユーロ円は123.00-125.00と予想している。
(2017/6/21、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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