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第233回 ~パリティに向かうユーロ~

2017年02月22日

 2月に入ってユーロ不安が再燃、月初の1.0829の高値から、今日(2/22)は再び節目の1.05ドルを割り込んだ。これは1月11日以来、約1か月半ぶりのユーロ安水準である。今後3か月以内にパリティ(1ユーロ=1米ドル)に向かってユーロ安が進むと予想している。

 ユーロ安はリーマンショック前の2008年7月の1.6037ドルを最高値に始まり、その後ギリシャショック、ECBの金融緩和などを材料に下落/上昇を繰り返しながら下落トレンドを維持し、ほぼ2年前の2015年3月には2003年1月以来となる1.05ドル割れとなった。

 その後大きくは1.08ドルから1.14ドルのレンジ取引となっていたが、トランプラリーが始まったことを契機にユーロは再下落、今年1月3日には、1.0340ドルまで下落、14年ぶりのユーロ安となった。その後トランプ政策不安からのドル安を受けて1.0829まで上昇したが、今日の1.05 ドル割れに至っている。ユーロの弱さは、対円でもその下落は際立っている。ほぼ3か月ぶりの119円割れとなった。

 これは、以前から2017年は欧州選挙の年として警戒されていたが、最初の関門、オランダ議会選挙(3/15)まで1か月を切ったことや、そのあとに続くフランスの大統領選挙において反ユーロを旗印に人気を高めているルペン国民戦線党首の追い上げが明らかになったことで、改めてユーロ分裂への懸念が強く意識されてきたことが大きな要因となっている

 さて、まずユーロ安の要因となっているオランダの議会選挙であるが、最近の世論調査によれば、現在与党である自由民主国民党(VVD)と労働党(PvdA)の支持が伸びず、代わりに自由党(PVV)が第1党の位置を保っていることにある。自由党はウイルダース氏が党首の極右政党であり、ユーロからの脱退を主張している。

 2月20日現在の支持率は、与党の支持率が36%(VVD25%、PvdA11%)、自由党が28%となっている。昨年末(与党38%対自由党29%)との比較では大差はないが、逆に与党支持が回復しないことがユーロ懸念への深さが意識される。

 そのほかにも、ギリシャの公的資金返済懸念問題、フランス大統領選懸念などユーロ下落要因が重なっているが、それ以上に、先週末にドイツのメルケル首相の「マルク」発言には、市場では大きな関心を引いた。これは、トランプ米大統領からのユーロ安批判への対抗として発言されたものだが、「ユーロ推進派のドイツまでもマルクという言葉をだした」として、今週のユーロ安の大きな要因となった。

 ドル円が小康状態になっている今、欧州動向から目が離せない。しばらくは「セル・オン・ラリー(ユーロが買われたら売り)」戦略が機能するのではないかと考えている。

 今後一週間の相場レンジは、ドル円は堅調の112.00-114.00円と予想。ユーロは欧州の政治動向懸念から対ドルでは引き続き1.0400-1.0600、ユーロ円を118.00-120.00円と予想している。
(2017/2/22、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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