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第234回 ~高まる物価上昇圧力~

2017年03月01日

 3月利上げが現実的になってきたことで、ドル円は113円に乗せて米国市場から帰ってきた。そしてトランプ議会演説が大きな波乱なく無事に終わった。何が起こるかわからないと身構えていた市場はホッと一安心、東京市場では株ドルともに上昇、ドル円は1週間ぶりに113.50円近辺での取引となっている。

 3月FOMCでの利上げの確率が高くなったという株式市場には逆風となるような材料にも拘らず株高になった。これは予想以上にトランプ演説から将来の米国成長の可能性を見出したといえる。真の評価は今日の米国市場を待たなければならないが、個人的には、経済より政治に重きが移ったことを示す表れでもあると考えている。

 ただ、より具体的な政策内容、実施スケジュールについては明らかになっていない。その意味では、問題は片付いておらず単に先送りしただけであり、今後は中旬に予定されている予算教書や議会の審議状況を待たなければならない。すなわちトランプ丸は正式に船出していないと言え、その意味ではまだ油断はできないと考えておかなければならない。

 その間に、ドル高要因となる米の3月利上げの機運が急速に高まったことが注目されてきた。その根拠となるのは、米国経済状況である。昨日発表になった2016年第4QのGDP改訂値は、速報値と変わらず年率+1.9%と期待外れ(予想は+2.2%)であったが、市場の目は現在時点での成長率に向いている。

 そこで、NY連銀が発表している指標(GDP Nowcast)を見ると、2017年第1QのGDP成長率は+3.1%(2/24現在)とかなりの伸びが予想されている。昨日のNY連銀のダドリー総裁の「金融政策を引き締める根拠が強まっている」との発言は、これも根拠の一つになっているだろう。

 そして、大きな注目材料はやはり雇用と物価である。今月の雇用統計は来週3月10日と第2週にずれ込んだので、その前の物価動向にまず注目しておきたい。今日3月1日に、イエレン議長お気に入りと言われている個人消費支出価格指数が発表になる。

 先月は、前月比+0.2%(コア+0.1%)、年率1.6%(コア1.7%)だったが、計算上今後2カ月前月比+0.2%が続けば年率で+2.0%とFRBのターゲットに到達するとの分析がある。前月発表の消費者物価指数(総合)はすでに年率+2.5%を記録し、原油や食糧が徐々に上昇していることを考慮すれば、間違いなく物価上昇圧力が高まっている。

 今後一週間の相場レンジは、ドル円は112.50-114.50円と予想。ユーロはオランダの選挙が近づいていることもあり神経質な相場展開となり、対ドルでは引き続き1.0400-1.0600、ユーロ円は118.00-120.00想している。
(2017/3/1、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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