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第241回 ~欧州にブラックスワンが集結~

2017年04月19日

マネーパートナーズからのお知らせ:筆者都合により、今週の更新は27日(木)の予定 となります。

 政治の年に新たなイベントが加わった。英国の総選挙である。予定では2020年に行われることになっていたが、大幅な前倒しで今年6月8日(木)に実施するとメイ首相が発表した。議会の承認が必要だが、野党も賛成の意向を示していることから、選挙の実施はほぼ確定の状況だ。

 突然の発表を好感し、ポンドは急騰、昨年10月3日以来の1.29ドル台に乗せた。「まさか」の神が降臨すれば、ポンド安の大きな原因となっていたEU離脱の撤回もありうるとの思惑が出てきたからだ。ポンド円はほぼ半月ぶりに140円まで回復。つれてユーロも1.07台へ急上昇、また今週初に5か月ぶりに114.85円まで売られていたユーロ円は一気に116円台後半まで回復した。

 この結果、筆者がウォッチしているドルインデックスは99.46まで下落し、3月30日以来の100割れとなった。結果的には、トランプ大統領がドルは強すぎるとのコメントに対しいみじくも反応した形だ。ドル売りにバイアスがかかっている市場の深層心理が働いていたとも見れるが、リスクオフが増幅したともいえる。

 ドル安の目途をドルインデックスで見ると、200日移動平均(200DMA)が重要な節目になっていると読める。クリントン有利と伝えられた2016年10月4日に日々線が200DMAを越えて以来、今日まで割っていない。トランプ大統領当選確定後にドルが急落した11月9日にも200DMAをかろうじて割っていない。最近では3月27日の下落場面でも維持している。現時点(18:30)のドルインデックスは99.70台に対し、200DMAは99.043。しかし毎日0.015~0.02ポイントずつ上昇しているので、このままドルが下落していけば余裕があるとも思えない。しばらくドル円だけでなく、クロス円の動向を気にしていきたい。

 米国の為替報告は事前予想通り、中国に対する為替操作国認定は回避。日米経済対話も総論どまりで、懸念された為替問題への言及もなし。このため懸案事項は先送りとなったことで、市場参加者の誰もが問題は解決されたとは思っていない。相変わらずブラックスワンが宙に舞っている。北朝鮮問題もきな臭さは残ったまま、むしろこれまで以上に飛んでいる数(変動要因)が増えている感じである。

 23日にフランス大統領選挙が控えているため、その前に開催予定のG20の財務相・中央銀行総裁会議からは為替相場に変動を及ぼす事態が起こることは想定しにくい。それだけフランスの選挙が予断を許さない状況になってきているといってよい。それは反ユーロ派の増加である。これまでルペン候補が1回目投票では勝利しても2回目の決選投票(5月7日)では勝利できないとみられていた。ところがここにきて第4の候補、左翼党のメランション候補が支持率をアップさせている。昨日現在、親ユーロ派の2、3位連合と反ユーロ派の1,4位連合はほぼ同じ。得票率次第では、来週初のユーロが急落する可能性があり、要注意の情勢となっている。

 今後一週間はボラティリティが高まると考え、相場レンジの拡大を予想。ドル円は107.00-110.00円、ユーロは、対ドルでは1.0500-1.0800、ユーロ円は115.00-118.00と予想する。
(2017/4/19、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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