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第243回 ~浮かび上がった円の弱さ~

2017年05月10日

 ドルはこれほどまで強いのか! これが、今の素直な印象である。予想以上に早い段階でドルは反転、昨日は3月15日以来の114.317円までドルは上昇、114円を挟んだ取引が続いている。この勢いはどこまで続くか、今後どのような相場展開になるか、考えてみたい。

 年頭に、4月までに105円まで円は買われるが、その後は年末にかけて125円まで円安が進み年末は120円と、筆者は予想した。この全体的な流れは4月中旬までは予想通りに推移していた。そのためドルの反転までもう一歩と考えていたので、「ドル安の終わりの始まり(4月12日)」、「ドル安の底値を待つ(4月27日)」とのタイトルで、もう一段の円高を予想した。

 しかし、現在の市場動向を分析した結果、前記年間予想の基本的な流れは変更しないが、円高水準と時間を変更することにした。これは年初予想の裏付けとなっていた要因が変化したと考えたからである。円高は、4月17日の108.13円で終了、今後は112円~115円のレンジを保ちつつ、徐々に円安が進んでいくとの予想に変更した。

 年初、米国では「トランプ政権の不安定さとドル高けん制発言」が続き、「米景気の足踏み予想から利上げペースが後ずれ」を予想。一方欧州では「英国のEU離脱問題や、オランダと仏の選挙の不透明さから、リスクオフが発生」と想定した。そして4月に105円まで円高が進むが、5月以降はこれらの問題が解決し、円安にシフトしていくとの予想であった。

 仏選挙、米国の為替報告書、米国利上げなど、主なイベントについて、結果はある程度無難に終わったものの、材料出尽くし後の反転は予想以上に強いものであった。それは市場参加者にとって懸念材料が予想以上に重しになっていたため、まるで「あつものに懲りてなますを吹く」だったからではなかっただろうか。言葉を変えていえば、ドルの強さが戻ったというより、円の弱さが浮かび上がったといった方がわかりやすいかもしれない。

 しかし、ドル高への相場はまだ若いので、しばらくはレンジ相場での推移となろう。米国景気指標動向は重要であり、また新たな紛争が起こる可能性もある。すなわち常在戦場の意識は常に頭に入れておく必要はあろう。

 今後1週間の相場レンジは、ドル円は112.50-114.50円、ユーロは、対ドルでは1.0750-1.0950、ユーロ円は122.50-124.50と予想する。
(2017/5/10、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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