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第286回 ~円は米ドルと一蓮托生~

2018年04月11日

 4月に入ったとたんに、3月までの円の強気論はどこへやら、ドル円は新年度初日の105.50円を下値に107.50円近辺まで上昇、ここ5日間は107円ばさみの展開が続いている。そのために、最近は、ドル悲観論を打ち消すようなニュースがつづていることで、これでドルの基調は変わったとの見方も増えている。

 しかし、筆者は、いずれは本格的にドル高にシフトしていくと考えてはいるが、今の段階でドル安は終わったとは考えていない。多くの参加者がドルの強気になったとたんに、ドル下落の瞬間は来るだろう。ドル安は忘れたころにやってくる、といった気持だ。

 さて、過去1週間の金融市場を見ると、大きく言えば、ドル安、円安で、ほかの通貨はほとんど上昇している。ドル指数は4/6(90.60)を高値に、4日間続落、昨日はほぼ2週間ぶりに90ポイント割れとなった。ドル円だけ見ると、ドルは持ち直しているように見えるが、グローバル市場では、ドルは間違いなく下落通貨となっている。

 低金利のスイスフランに対してもドルは短期的には売られている(スイスフランが高くなっている)。また筆者がフォローしている「金」相場をみても、ここ4日間は続騰、ドル安が進んでいることが確認できる。

 このような全面ドル安の市場環境の中で、なぜかドル円だけは動かない。ドル売りの流れの中で円売りの力が加わっているに違いない。ではそれは何か。そのヒントになるのは、現在為替の変動理由が政治問題であることだ。とすれば日本円を売る理由は、市場が最も嫌う「不安定」が日本政治を覆っていることにその要因があるのではないだろうか。それはひとえに安倍政権に対する不安だ。海外の知人と話していると、この雰囲気を強く感じる。まさに円はドルと一蓮托生なのかもしれない。

 このような相場環境では、それを逆手に使うことを考えた方がよいかもしれない。円のドル離れが確認されるまで、クロスで勝負することが面白いかもしれない。個人的には、その中でも高金利のトルコやメキシコに興味がそそられる。次回は、これら通貨について考えてみたい。

 今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は105.50円~107.50円、ユーロは、対ドルで1.2300~1.2500、対円では131.00~133.00円と予想している。
(2018/4/11、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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