第299回 ~トランプの命綱は雇用とGDP~ | FX・証券取引のマネーパートナーズ-外為を誠実に-

FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第299回 ~トランプの命綱は雇用とGDP~

2018年07月18日

マネーパートナーズからのお知らせ:筆者都合により、次回更新は7/26(木)の予定となります。

 ドル円は、今年1月7日以来の113円超え、年初来高値(113.38円)更新が視野に入ってきた。またドルインデックスも直近高値の95.531(2018/6/28)に迫る勢い。そこを超えると、1年前の95.80(2017/7/14高値)が次のターゲットとなる。筆者がドルの反面指標として注目している金相場(直物)は、ドル高が進むに連れて続落している。今日は1,222ドル(1オンス)割れ寸前、昨年7月14日以来(1,214.77ドル)の安値まで売られている。まさにドル全面高の様相だ。

 今回のドル高には、パウエルFRB議長の議会証言(強気な景気見通しと利上げ政策維持)が一つの背景となっているが、それ以上にトランプ大統領の政策に対する評価に変化が出てきたことも大きいのではないかと睨んでいる。これが、貿易戦争への不安感から、先行していたドル売りを重ねてきた参加者が、これ以上のドル下落は望みが少ないと、あきらめのドル買い戻しをもたらし、ドル高を加速させたのではないだろうか。

 これまで、リスクオフとなる材料の多くは、トランプ大統領がらみの言動が基になっていた。いわゆる市場が最も嫌う不透明の拡大である。就任直後のTPPからの離脱に始まり、最近の貿易戦争まで、あらゆる領域で、これまでの政策や常識を打ち破る決定の連続であった。あまりにも止まることのないトランプ政策が反射的にドル売りをもたらしてきた。

 すなわち「安定的な政策壊しや常識破りが進めば、米国の相対的な力は減少する」。「このために世界覇権の秩序が乱れ、世界貿易量が大幅に減り、そして米国経済は後退する」。「その結果として、トランプ支持層の支持離れが起こり、米国政権は混乱し、中間選挙でトランプは敗退する。そう考えればドルを売るしかない」、との考え方になる。

 しかしこれまでの経済指標はこの見方を打ち砕く勢いだ。経済は順調に拡大し、就任時に公約した二大経済目標を、どちらも達成しつつあるからだ。まず雇用(公約は10年間で2,500万人新規雇用=毎月20.8万人の増加)は、今年2018年6月まで、月平均21.5万人の増加と目標を上回っている。トランプ氏の就任以来では、約19.3万人と未達だが、昨年の+18.2人(月平均)からは増加しており、不満は言えない。
 そしてGDP成長率(公約は、年平均3.5%に引き上げ)も、第2四半期は3~3.5%の予想との見方が多い(アトランタ連銀は7月16日現在4.5&、NY連銀は7月13日現在2.77%と予想)。

 総合的には、ドル買い要因が多い中で、その勢いを削いでいたのは、トランプ大統領の政策の不透明さによるドル離れ懸念が主な要因であった。その懸念が減少すれば、残りはドル買いのみ、ドルの買い戻しとドル買いの新たなポジションつくりの両方がドルを押し上げている。ちなみに、ドルインデックスが高値を付けた時期(17年7月14日ドル高値)のドル円は113.58円、ユーロドルは1.1472。特に、英国のUE離脱に関する政局混乱など、欧州からドル高の流れが加速する可能性も見ておく必要がある。

 今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は111.50円~113.50円、ユーロは、対ドルでは1.1500~1.1700、対円では130.50~132.50円と予想している。
(2018/7/18、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第299回 ~トランプの命綱は雇用とGDP~