第300回 ~日銀の次の一手を読む~ | FX・証券取引のマネーパートナーズ-外為を誠実に-

FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第300回 ~日銀の次の一手を読む~

2018年07月26日

 スーパー猛暑と言ってよい暑さが連日のように続いているが、為替市場もトランプ台風が収まる気配がない。特に貿易戦争と言われる、関税上乗せ競争が、為替市場を熱くさせている。これでもか、これでもかと世界の大国を相手に手を打ち出してくる、まるで上げた手は簡単には下せない、と言った趣だ。

しかし、このトランプ・ディールのやり方は、実は分かり易い。だんだんオオカミ少年的な言動に市場は対応ができてきているように思える。透かして見ればドル相場は米ファンダメンタルズで上昇、トランプ発言で下落が柱になっていると読める。

ただ、ここにもう一つの柱が加わった。それは日銀の金融緩和策の修正予想である。三大中央銀行の中で、唯一、緩和策の行方がはっきりしていないのが日銀。今回は展望レポートの中間評価がでる(決定会合は7/30-31)。ETFの購入基準の見直しなど、すでに変更内容について報道がなされているが、市場は発表次第すぐに行動に移せる準備を進めている。しかしこの円高局面では、日銀としては、それを容認すると受け止められる大きな変更はできないだろう。小幅なものになれば、材料出尽くしで、円高打ち止め、あるいはそれ以上に円安再燃となる。

そこで考えられるのは、ツイストオペ(同額で同時に売りオペと買いオペを実施)である。金融機関に収益改善のためには、イールドカーブのスティープ化(長短金利差の拡大)が必要との考え方が基になる。同様のオペレーションはFRBが2011年9月から2012年6月まで行ったが、目的は、金融緩和策の強化であり、その手法は、長期金利の低下を促すために、短期債売り/長期債買いであった。

今回日銀が導入するとすれば、FRBとは逆の考え方で、金融緩和策の緩和になり、長期金利を引き上げるために短期債買い/長期債売りとなる。これは日銀保有国債の市場放出にもなり、不足しているといわれる国債の市場流通量を増やすことにも資する。これだけ市場に注目されているので、何もなし、とはいかないだろう。YCC(イールドカーブ・コントロール)の調整は必至。それはドルの安値拾いの好機と考えている。

一方、ECBは理事会が本日開催されるが、前回の会合で、10月からの債券購入金額の半減(月300億ユーロから150億ユーロへ)と、来年半ばまでの政策金利維持を発表したので、今回は無風、現状維持であろう。またFOMC(7/31-8/1)は、議長会見のない中間月であり、声明文で9月の利上げの確率の変化が含まれるかどうかがポイントで政策変更はないと予想されている。

ところで、4月以降のドル円は相場展開を見ると、2か月単位でエスカレーターアップ、エレベーターダウンの相似形ができている。すなわち、上昇はゆっくり、下落は滝のように一気に下落、という形である。1回目は104.61円(3/22)をボトムに、111.40円(5/21)のピークにまで60日間の上昇(+6.5%)、そして8日間で2.95%の下落(上昇率の約45%下落)となった。

現在は2回目とみれば、昨日までの展開で、108.11円(5/29)をボトムに、113.17円(7/19)のピークまで51日間の上昇(+4.7%)、そして6日間で2.2%の下落(上昇率の約47%下落)となっている。今週いっぱいはもう一段のドル下落もあり得るが、筆者は、明日の米2QGDP(速報)発表や(4%以上の予想)や来週の日銀会合、FOMCで、米国ファンダメンタルズの好調さが認識され、日米金利差が拡大し、ドル円は下げ止まると予想している。

今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は110.50円~112.50円、ユーロは、対ドルでは1.1600~1.1800、対円では129.00~131.00円と予想している。

(2018/7/26,小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第300回 ~日銀の次の一手を読む~