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第309回 ~円安進行は一休み~

2018年10月03日

 10月が始まった。予想通り年初来高値を付け、短時間ではあるが114円台に乗せた。昨年11/9以来の114円台。二日目は反落したが、一瞬だが114円に乗せたことで、市場には、115円もそう遠くない時期にくる、というような雰囲気も出てきた。

第4四半期、日本は下期が始まり、新しいポジションを作りやすい時期で、方向性に乗った取引に動きやすい。一方、欧州は2018年の締め、今年度の収益を固める時期である。そこで、今後3か月を見通して、当面のドル円相場を予想してみたい。

まず現況であるが、個人的にはこのままどんどんと円安が進むとは考えていない。ドルの下値は固くなってきたが、相場を動かす要因が変わったわけではないとの判断だ。今後も114円台での取引はあるだろうが、今年中は中心相場を111円台~113円台として、年末までは110円~115円のレンジで推移、114円で年を越すと予想している。

トランプ大統領の言動はこれまでの政治常識や秩序を打ち壊す方向であり、相場の変動要因として、引き続き影響は大きい。昨日急に出てきた以前の税金問題はじめ、今後も何が出てくるかわからないとの不安定要因は残る。米国金利、金利高を材料に米国一人勝ちの勢いはあるが、それだけでドルを買い続けていくわけにはいかないとの見方だ。

ただ、最近はトランプ大統領の、「ドン!と打ち出して、最終的には落ち着きどころで手を打つ」という政治手法に、市場は慣れてきた。ニュースのヘッドラインでリスクオフになる材料が出ても、すぐ反応せず、冷静にその後の進展を考えるようになってきた。それが9月以降のドル上昇の背景ではないだろうか。

しかし心理説でいけば、これまでにない新しい政策や決定が一つでも出れば、この流れは一気に変わる。そしてこれからも実需と心理面の両方でドルの売りと買いが拮抗していく。この意味で、少なくとも今月中は農耕民族的な取引(買われて売り、売られて買う、逆張り的な取引)が、主流になると考えている。

今後の注目材料は、やはり米国景気動向である。FRBはじめ、エコノミストも強気一辺倒である。それゆえに少しでもトップアウト懸念が出れば、ドル高の勢いは萎む。トランプ大統領の強気政策を支えているのは、GDP成長率4%台、雇用者数20万人以上という公約に沿った、好調な米国景気である。今期中は拡大基調は継続するとの予想が主流だが、金利高、関税高の影響が出てくる2019年以降は、これまでのようにいかないであろう。中間選挙も大きなトピックだが、この分析については、後日記すことにしたい。

今週末は、雇用統計が発表になるが、今月は少し減少すると予想している。そこで、今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は続伸で112.75円~114.25円、ユーロは、対ドルでは1.1480~1.1680、対円では130.50~132.50円と予想している。
(2018/10/3,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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