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第311回 ~有事に買われるドル~

2018年10月24日

 過去2週間の為替市場を振り返り、中期的なドル見通しを変更する必要はないと結論付けた。ほぼ1か月ぶりの111円半ばまで円高になったが、予想のレンジを外れることなく取引されており、ドルの堅調さは維持されていると判断した。これはチャートでも確認できる。変動パターン通り=タイムパターンと、移動平均線の指向性=に沿った動きがみられるからだ(後述)。

 といっても、相場の方向性を左右するかもしれない大きなイベント(有事)もあった。3%を超える株の急落、米国為替報告書発表、サウジアラビアを取り巻く異変、そしてイタリアの予算に対するEUの差し戻し決定である。いずれも解決したものでなく、どれもリスクオフで円高をもたらす変動要因なので、今後のドルの行方を読むためには、日々その成り行きを意識していかなければならない。

 ただ、このような、まかり間違えば円高に反転する決定的な材料が積み上げっているにも関わらず、ドル円は112円台でとどまり、ドルは売られてこない。筆者は、この状態を、円にも売り材料があり、ドル売りと円売りで危ない均衡ができているとみている。しかしこの動きはドル円に限ったことではない。全体的にドルの強さが際立っているともいえる。

 ドルインデックスを見ればわかるが、今日は96.25まで買われ、8月20日以来の高値に上昇しているのだ。この2週間の間に、対ユーロで8/20以来、スイスフランに対しては8/15以来、カナダドルには9/11以来と、それぞれ1~2か月ぶりの米ドル高を付けている。一方でドル高では売られていた金が強いことも、市場の変化を感じさせる。昨日(10/23)には、1,239ドル(1オンス、スポット価格)に上昇、約3か月ぶりの高値を付けた。

 これは何を意味するか? 金はもともと有事やインフレに強い。その有事にドルが買われている。「有事のドル買い」の復活である。合わせて、ドルが強い理由として、ドル金利の上昇がよく指摘されるが、取引通貨(決済や貸借)としての需要の高まりがドル高を支えているとも考えられる。

 さて、チャートに転じると、タイムパターンとは、今年3月以降、ほぼ一定間隔でドル高とドル安が繰り返されていることである。ドル高は、5/21、7/19、10/3であり、ドル安は、3/22、5/29、8/21、10/15となっている。多少の前後はあるが、約2か月ぶりに動いており、しかも、トレンドは右肩上がりで、ドル高傾向は変わらない。

 また、移動平均線の指向性とは、支持線と抵抗線としての目安がはっきり表れていることである。具体的には、日々の相場が、短期線(筆者使用:21日線)、中期線(同89日)、長期線(同200日)を、抵抗線か支持線として、上か下に抑えられていることである。現在は21日線(112.90円)と89日線(111.65円)の間に挟まれているが、個人的には上方を抜けて、12月の115円台に向かってゆっくりとドルは買われていくと予想している、

 そこで、今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は111.80円~113.30円、ユーロは、イタリア予算問題を懸念し、対ドルでは1.1350~1.1550、対円では128.00~130.00円と軟調推移と予想している。
(2018/10/24,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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