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第313回 ~再選狙うトランプの戦略~

2018年11月07日

 米中間選挙は、上院が共和党の過半数維持、下院は民主党が多数派を奪還と、事前予想通りの結果となった。執筆時点ではまだ最終結果は出ていないが、そのねじれ度合いは予想よりきついように見える。為替相場では、一瞬113.80円を超えドルは買われたが、そのあと一時は112円台へと失速、先週予想した通り、まずはドル安に動いた。さてこの結果を受けて、今後どう展開していくかであるが、明日以降にトランプ大統領の言動に注目が集まる。

 今、二つの見方がある。一つは、トランプ大統領がますます先鋭化して、一層保護主義化を進めるだろうとの見方であり、もう一つは、民主党との協調を模索していくとの見方である。そのどちらにしても、金融市場では、選挙という大きな不確定要素を大きな波乱なく終えたことで、一安心している。

 さて、最初の見方は、トランプ大統領はこれまでの経済政策の成功を背景に、自分の政策は評価されたと自信を強め、強硬な移民政策や個別貿易交渉を推進していくだろうとの考え方である。雇用も増え、減税で消費も増えたことで、住宅市況にやや不安が出てきたが、全体的には幅広い経済成長が続いている。この点では民主党支持者でさえも、トランプ政治の恩恵にあずかっている。これがトランプ大統領の強みになっている。「下院の敗北は想定内だ!2020年の再選に向けて突き進んでいこう。初志貫徹だ!」と叫んでいるに違いない。

 一方、民主党との協調路線とは、財政拡大路線である。長い間米国政治を見ていると、共和党の小さい政治(なるべく民間に自由を与える政治)に対し、民主党は大きい政治(お金を使う政治)だが、財政拡大によるインフラ再構築を進めるトランプ大統領の政策は民主党寄りともいえる。ここにトランプ大統領の隠し玉がある。
 
 下院で民主党が過半数を獲得したことで、弾劾裁判への道筋はできたことになる。裁判所の役目は上院が果たすが、弾劾可決するためには三分の二以上の賛成がなければならないので、今回の選挙結果では、共和党でよほどの反対者が出ない限り弾劾されることはない。ただそうなれば大統領二期目を狙うトランプ大統領としては、不名誉なことだ。弾劾の発議をしない代わりに、民主党の要望も受け入れるとの交換条件を出すことも考え得る。自分の存在感を維持するために、時として話の分かる大統領を演じることも十分にある。

 ただ、その本格的な論戦は、今回の選挙結果を反映した議会が始まる来年1月以降になる。それまでは、大統領の言動が、大きな変動要因となる。景気指標や、来月のFRBの利上げへの思惑を材料に、ドルの不安定な動きが続くと予想したい。

 今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は111.80円~113.80円、ユーロは、対ドルでは1.1400~1.1600、対円では128.00~131.00円とドル軟調と予想している。
(2018/11/7,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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