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第316回 ~FRB理事の新顔はタカ派か?~ 

2018年11月28日

 2週間ぶりの114円台目前となった。今晩のFRBパウエル議長の講演が喫緊の材料だが、今週末にはG20での米中首脳会談が続く。その間にも、米経済指標が間断なく発表される。

 現在のドル円は112円~114円を中心とするレンジ内の動きで、チャート的には9月18日から始まったと読む。それ以前は、6月下旬からの110円~112円のレンジとなるが、その前は4月下旬から109円~111円のレンジであった。約2か月余りでレンジを切り上げている。今のレンジが始まって2か月半近くになり、今週から始まるイベントが次のレンジへのシフトのきっかけになるかもしれない。

 その最初のテストが今晩のパウエル議長の講演だ。日本時間で深夜、ニューヨークのエコノミッククラブで演説する。景気への見通しや適切な金利水準の考え方など、今月のFOMC(12/18-19)の利上げの是非を左右するかもしれないという点で大きな注目となっている。しかしその前哨戦となるスピーチは昨日あった。講演者は副議長のクラリダ(Richard H. Clarida, 61)氏だ。予想されたよりハト派でなかったということで、ドル買いの要因になった。

 クラリダ氏は、コロンビア大学の教授で、PIMCO(米国大手債券運用会社)の幹部も務めていた。今年4月にトランプ大統領が指名し、8月28日に上院で承認され、今年9月17日にFRBのナンバー2の理事(副議長)に就任した。すでに2回のFOMCに参加している。財務省で勤務した経験もあり、これまでの発言等の経緯からハト派的な考え方を見っていると思われていたが、引き続き利上げが必要との考え方を述べており、これが市場では意外感を持って受け取られた。スピーチ原稿を読むと、経済は強く、インフレの進行が予想され、FEDのターゲットである「2%」を下回らない限り、利上げは必要と語っている。一方で、インフレが加速しない限り、利上げは急ぐ必要はない、とも述べており、バランスの取れた内容となっている。

 クラリダ氏は、今日のスピーチを行うパウエル氏とは近い位置にいるので、講演内容のすり合わせはできているはず。その意味で、今晩のパウエル氏の講演からは利上げの有無を断定するような発言は出ないであろう。そして市場でささやかれている利上げ打ち止め説に与するようなことにもならず、ドルの上昇基調を止めることにはならないと考えている。

 ちなみに、理事定員7名に対し5人目となる理事が、一昨日就任した。ボウマン女史(Michelle W Bowman)である。カンザスの地銀副総裁、カンザス州銀行監督官から、今年4月にトランプ大統領が指名、11月15日に上院承認を経て、11月26日に理事に就任した。12月のFOMCから投票に加わる。これで理事の空席は残りは2名、うち一人は、指名されたが上院の承認を待っているグッドフレンド氏(カーネギー・メロン大学教授)だが、上院銀行委員会の承認がわずか1票差であったことから、承認に時間がかかっている状態である。

 さて、今後1週間のドル円は、米中首脳会談は決裂しない(話し合いを続ける)と期待し、112.80円~114.30円で推移していくと予想。一方、ユーロは、荒い動きは一旦落ち着き、対ドルでは1.1250~1.1400、対円では前週と同じく127.80~129.30円と予想している。
(2018/11/28,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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