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第322回 ~米国が見えないリスク~

2019年01月23日

 日銀の金融政策決定会合の結果は、将来的に円安材料だ。展望レポートで物価の見通しを引き下げたものの、ターゲットの2%を維持したままにしているからだ。声明の中で、「物価安定の目標を2%」と明言、「前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」と表明。そして「物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」と断言した。

 展望レポートで、物価見通し(除く生鮮食品)を引き下げた。昨年10月の見通しよりも2019年度は0.5%引き下げ、+1.1%(中央値)、2020年度は0.1%引き下げ+1.5%(同、いずれも消費税引き上げを想定)とした。消費税引き上げ等の影響を除くと、それぞれ+0.9、+1.4%となる。

 一方、実績では、先週末に発表された12月消費者物価は低下した。総合で11月より0.5%低下し+0.3%に、生鮮食料品を除いた総合も低下。先月より0.2%下がり+0.7%となった。日銀もこのような状態は続いていくと判断、見通し水準も引き下げざるを得なかったのだろう。事前には、2%という目標も吹き下げられるのではないかとも予想もあったが、その目標は堅持した。このままの状態では、緩和の終了のめどは、ますます先延ばしされることになり、必要な調整、すなわち追加緩和政策の発動は避けられないとの見方が再燃する。これは円売り材料だ。

 ドル円は110円の厚い壁に阻まれ、先週末から109円台後半で足止めを食っている。日銀会合終了後もなかなか動かない。一方で、すでに21日移動平均線(今日現在109.10円)を上回っており、いつでも110円を突破する用意もできている。そのきっかけの一つは、米国の政府閉鎖が解除されるときと考えている。

 閉鎖は昨年12月22日から始まり、今日ですでに33日目。これまでの過去最長は、クリントン大統領時代の21日(1995年12月16日から翌1月5日まで)なので、毎日史上最長を更新している。この影響がいたるところに出ているが、市場関係者にとって困るのは、重要な経済指標が発表されないことだ。

 すでに昨年12月27日に発表予定の新築住宅から、発表延期が続いている。特に商務省の経済分析局(BEA, Bureau of Economic Analysis)のサービス停止の影響が大きい。貿易収支、小売り売上高など最新指標が全く読めない。シカゴ投機筋のポジションも昨年12月後半から止まったままだ。

 また、連邦職員約80万人の給与が支払われていないということから、消費マインドの低下も心配の種だ。閉鎖が解消されても、統計指標がすぐに正常に戻ることはない。これは筆者も経験しているが、クリントン時代(前記)には、正常に戻るのに、約2か月かかったと記憶している。

 加えて、英国の合意なき離脱への懸念もある。ドル下落の要素も意識されたままだ。まさに先の見えない危機へ備えとしてドルは買えない。しかし逆に言えば、これらドル売り要因が解消されれば、日銀の決定が改めて浮き上がり、一気に110円突破が見えてくる。

 さて、今後1週間の予想レンジは、ドル円は108.80~110.80円。ユーロは、来週に控えた英議会採決を前に、模様眺めの展開を予想、対ドルでは1.1280~1.1430、対円では123.50~125.50円と予想している。
(2019/1/23,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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