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第339回 ~ 底堅いドル買い需要 ~

2019年06月05日

マネーパートナーズからのお知らせ:筆者都合により、次回更新は6/13(木)の予定となります。

 今日を入れて三日間連続して、108円割れの攻防が続いているドル円だが、そのたびに跳ね返されて108円台に戻っている。日足の終値ベースでは107円台はつけていない。107円台の買いが予想以上にしっかりしているとの思いが実感だ。この底堅さはどこからきているのだろうか。そしてこの粘り強さはどこまで続くのだろうか。

今回の円高は、トランプ大統領のメキシコへの関税上乗せ発言から始まった。5月31日には、一日で、1.15円も円高となり、久しぶりの急速のエレベーターダウンとなった。市場が全く予想もしていなかった新手だったので、経済的な効果は少ないが、市場への衝撃度はある意味リーマン級といってよい。それほど市場への衝撃度は大きかった。

そのうえ、昨日のパウエル議長が、米ドルの政策金利に引き下げを示唆したことで、一気にドル売りの流れが再燃した。材料的にはドル円はもっと下値を挑戦していい。しかし、それでもドル円は107円割れで跳ね返されている。

チャート的にも、まだ底値はつけていないようにも読める。21日移動平均線との乖離幅を調べてみると、107.85円を付けた6/4は、1.56%、フラッシュクラッシュとなった今年1月2日の乖離幅6.8%は異常だが、それ以前の乖離幅との比較では、今回はまだ少ない。12月31日は2.3%、その前の拡大時10月4日1.9%であったことを考えれば、まだ売り切っていないともいえる。しかし、三日も続くとドル買いの底堅さを認識し、そろそろ売り疲れが出て、売り手のドル買い戻しが高まる可能性がある。

一方、ドルインデックスは、約1か月半ぶりの97割れ。欧州通貨の弱さでドル高円高が続いていたが、優位性の一つだったドル金利の高さが失われる可能性が強くなったことで、円だけが浮上してきた。しかし、利下げの思惑でドルを売っていたグループは、これで「材料出尽くし」と判断した。政策当局者の連続した発言で、早ければ今月18-19日のFCMCで、遅くとも次回の会合(7月30-31日)で、引き下げる可能性が高くなったからである。

ちなみに、CMEのフェドウォッチでは、昨日現在の引き下げ(2.00-2.25%へ)確率は、6月はまだ20%(1か月前6.7%)だが、7月会合に対しては、54%(同、12%)まで高まっている。そのうえもう一段の引き下げ(1.75-2.00%へ)確率も11.4%(同、0.4%)となった。

そこで、ドル買いの需要はどこからきているか考えてみると、一つは、買いきりの米国債投資資金だ。低下しているといっても、ドイツ債がマイナス金利になったように、世界的に低下している中で、米ドル金利は相対的に高い。日本の機関投資家は、ヘッジなしの外債投資を増やしており、107円台であれば十分利ザヤは取れるとの判断があったとしても不思議ではない。またもう一つの需要は、日本企業の海外企業の買収、あるいは出資資金である。関連先をヒアリングすると、その需要をビンビンと感じる。

ほかにも、いわゆるキャリートレード(低金利資金で借りて、好利回り通貨で投資、具体的には、円で借りてドルで運用)もドル買いの潜在的需要となる。しかも短期的な取引(月曜日にドル買い、金曜日に売る)は有効と思える。ただ、今週の金曜日は、雇用統計が発表になるので、木曜日に一旦ドル売りで手仕舞が入る可能性もある。どちらにしても今後はドル買戻しの期間に入ると考えている。

さて、今後1週間の予想レンジは、ドル円は107.80~109.80円。またユーロは明日のECB会合で緩和基調が出てくると予想して、対ドルでは1.1120~1.1320、対円では121.50~123.50円、そして英ポンド/ドルは1.2580-1.2780とポンド軟調と予想している。
(2019/6/5, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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