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第348回 ~中国の次の一手~

2019年08月08日

 先週水曜日のFOMCから激動の一週間であった。どれも優劣をつけがたいイベントであり、まるで大きな災害が同時に起こることを意味するパーフェクト・ストームのごとく、市場を翻弄した。ドル円は、1週間前は、108円台後半、それが5日には、今年1月2日以来という105.52円まで円は急上昇した。発生日はそれぞれ異なっていたが、大きな変動イベントが毎日立て続けに起こっており、感覚的には同時に起こったと同じで、影響が波状的に深まっていった。

 問題の根本である米中関係でいえば、もはや修復がつかないような状態に陥ったのではないだろうか。交渉決裂から、一転して面前協議の再開と言われ、リスク後退と期待したのも束の間、すぐに3,000億ドルに対する追加関税施行の決定と、あまりにも唐突な発表に、市場は驚愕した。今まで何度も裏切られてきたことか、「トランプさんよ、もういい加減にしてくれ!」というような嘆きともいえる言葉が聞こえてくる。その結果が、リスク資産の暴騰である。

 代表的なリスクオフ資産の円は3日間で約3円余りの続騰。もう一つの代表格・米国債も上昇、10年債利回りは1.744%まで低下、2年9か月ぶりの低水準となった。おなじ安全資産と言われるドイツ国債も上昇、10年債利回りは0.535%と、日本よりも低い。そこで、日銀も金利低下を容認、昨日は容認水準のマイナス0.20%を超えて、一時マイナス0.21%まで低下した。そして金相場も続伸、1,484ドル(1オンス)と約6年ぶりの水準となった。

 一方で中国も黙っていない。米国産製品の輸入停止に加え、通貨戦争にと広がってきた。人民元が2008年5月以来となる対米ドルで7元を超えたことで、米国は中国を為替操作国に認定した。中国通貨当局から否定の発言があり、一時的に、人民元は上昇したが、元安の勢いは衰えていない。そしてボールは中国に渡った。今後どのような報復合戦が繰り広げられるか、予断は許さない。

 メニューは、並んでいるだろうが、中国が世界の覇権を握ることは考えているなら、決済通貨のドル離れを進めることは有力な選択肢になる。といってもこれは一朝一夕にできることではないので、徐々に進めていくことになろう。しかしその兆候は見て取れる、一つは保有米国債の売却であり、もう一つは、金の積み上げである。中国は外国人保有の第一位、約17%で1兆1,100億ドル保有している(2019/5末)。しかし過去3か月で207億ドル売却した(米・財務省)。ただ、一挙に売ることは、相場を崩すことになるので、長期債から短期債に乗り換えるなど、用心深く減らしていくと考えられる。日本(1兆1,010億ドル、同)に首位の座から譲るのは間違いないだろう。毎月の変動を注意深く見ていくことが大事だ。

 では、その資金にどこに行ったのか、金に振り替えられている可能性がある。定期的に残高を積み上げており、順位は、ロシアに次いで6番目の大量保有国(2019/5現在、1,916トン)となっている(ワールド・ゴールド・カウンセル調べ)。合わせてフォローしていきたい。

 さて、1週間の予想レンジは、ドル円は、105.50~107.50円と円高を予想。またユーロは、長期的にはもう一段の低下を見ており1.1100~1.1300、対円では117.00~120.00円と考えている。また英ポンド/ドルは1.1900-1.2200ともう一段のポンド安を予想している。
(2019/8/7, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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