FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第358回 ~解剖されるトランプ大統領の精神~

2019年10月23日

この1週間は、ドル円は蚊帳の外。ブレグジット情勢に視線が浴びせられた週であった。個人的には、合意は悲観的、ポンドは軟調に推移すると予想していた。しかし、ユーロとポンドの高止まりが続いている。今後一週間も市場の目は欧州に向けられるだろう。ただ、筆者の相場見通しは相変わらず弱気だ。

そのポンドだが、週明けには節目の1.30を突破、今年5/13以来、約5か月ぶりの高値を付けた。困難とみられたEUとの合意の可能性が高まったとの期待が膨らみ、合意懐疑で積み上げていたポンド売りポジションが大幅に縮小されたことで、ポンドは暴騰した。しかしイギリス議会のジョンソン首相への不信感は容易に消えるはずはなく、審議のスピード化をもくろむ提案も否決され、もはや、10/31の離脱は相当難しくなった。

この読みから、再び売り戻しが入り、今は1.28台半ばへ下落している。離脱期限の10/31まで残すところ1週間、緊迫感はますます高まる。ポンドやユーロのポジションを一方向へ傾けるには、もう少し様子を見るのが得策だろうが、チャート的には、1.2840を切れば、1.2750まで下落するのに時間はかからないと予想している。

さて一方で、このような状況でも忘れてならないのは、トランプ大統領の動向だ。最近米国出張から帰国した国際専門家から話を聞くと、ワシントンDCでは弾劾の話でもちきりとのこと。政治都市であるDCゆえの特徴なので、これが米国の現状というわけではないが、「蟻の一穴」という言葉もある。2020年の大統領選挙に向けて、トランプ大統領のいらつきが高まっている証でもあろう。

弾劾の仕組みから言えば、民主党にとって下院で優勢なことは、大きな武器である。弾劾は大統領の犯罪行為に対し、下院が審議、過半数の賛成で可決できる。ただ裁判は上院で行われ、大統領を罷免するためには2/3の賛成が必要となる(米国憲法第2章第4条)。現在上院は共和党が過半数(53対47)を占めており、共和党で20名の造反が必要なので、これはほぼ不可能な数字である。

これまで弾劾裁判が行われたのはわずか2人の大統領しかいない(17代のジョンソン、42代のクリントン、いずれも民主党)。その二人とも下院で弾劾決議がなされたが、上院で有罪判決とはならなかった。ほかにウォーターゲート事件(盗聴疑惑)のスキャンダルで弾劾の可能性が高まったニクソン大統領(37代)は、下院の弾劾決議の前に自ら辞任したケースがある。このニクソン大統領の例からわかるように、下院の決議は極めて有力な政治的な武器となる。
ここで注目されるのはトランプ大統領の支持率である。最新データでは、10/22は支持が42.4%、不支持が53.6%と1か月前(支持45.3%、不支持52.1%)に比べるとその差が拡大している(出所:RealClear Pollitics)。鉄板ともいえる支持率40%は維持しているが、今後の展開では安閑とはしてられないだろう。

最近の情報ではトランプ氏の言動を分析する記事も増えている。ペロシ下院議長に、「あなたは三流の政治家だ」と言ったり、対トルコ問題でも強引な政策変更が批判されている。2020年選挙で再選を目指しているトランプ氏だが、見方を変えれば弾劾に対するプレッシャーを感じされるということで、精神分析をする市場関係者も出てきた。場合によっては、大きなリスクオフ事態を引き起こす可能性ある。この点から、筆者は年末に向かって円高に向かうと予想している。

さて、今後1週間の予想は、ドル円は、107.50~108.80円。またユーロは対ドルで1.0950~1.1150、対円では119.00~121.00円と考えている。また英ポンド/ドルは、1.2500-1.2900とポンドは反落すると予想している。
(2019/10/23, 小池正一郎)


このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第358回 ~解剖されるトランプ大統領の精神~