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第359回 ~為替にビックリは付き物~

2019年10月30日

今日明日と日米中央銀行の金融政策決定会合が行われる。大方の予想は、今日10/30のFOMCは0.25%利下げ、明日の日銀は現状維持となっている。これまでに習い、市場は結果待ち、静かにその時を待っている。ドル円は、この一週間、108円後半で、値幅はわずか82銭(0.75%)。ドルインデックスではわずか0.64%の変動幅で、為替市場は“なぎ”である。

今日のFOMCについては、予想通りなら、材料出尽くしでドル買戻し、予想と異なり現状維持なら、金利差拡大で失望のドル買いと、どちらになってもドルは買われるとの読みだ。しかし引き下げ幅が0.5%となれば、話が違う。サプライズのドル売りでドル円は一気に107円台になろう。ただこの確率は1%にも満たない。なぜならFRBの独立性から、政治の介入は受けないとの大義名分があり、パウエル議長が英断を下せる余地は少ないとみられているからだ。

一方で、この予想が決してゼロではないとする背景もある。理由は米景気の停滞感だ。月初からISM景況感は低下、製造業は50以下が2か月続いている。さらに小売り売上高、鉱工業生産、耐久財受注と、いずれも前月比マイナス、そして最近発表された住宅関連指数(住宅着工、中古販売、新築販売)も、前月比はマイナスと、足元は弱くなっていることを示す指標が続いている。米中摩擦も一部合意ができたとはいえ、根本的に解決していない。本格的に崩れる前に、それこそ予防的なカンフル剤は必要との見方も決してないわけではない。

トランプ大統領が気にしている株価は、史上最高値(ダウ平均で、$27,398.68、今年7月16日)更新に挑戦しているが、これまで3か月間超えられていない。頭打ち状態だ。金利の大幅引き下げで株価上昇に勢いを与え、結果として、トランプ大統領の思いにこたえる形にもなる。決して、政治的配慮にはならないとも言える。

 一方で、日銀は、今回は展望レポートを発表する。消費税増税の影響が物価見通しにどのような見解を加えるか興味深いが、為替相場に円高圧力が弱まっている現状からは、緩和を急ぐ事態にはなっていない。しかし政策金利のフォワードガイダンスで、緩和基調を維持することはありうる。声明や総裁記者会見で、前にECBが使った言葉のように、「長短金利の水準を、現状か低水準に維持する」という変更を加えることはありうる。その場合は、円安基調への変化が予想される。

 ブレグジットも新たな展開に入った。12月12日に総選挙が決まった。新たな離脱期限は来年1月末。ポンド相場の下落は止まったが、今後の進展次第では、どちらにも動く可能性があるので、今慌ててポジション作りの必要はない。当面、取引は短期的な売買となろう。

今後1週間の予想は、ドル円は、107.80~109.20円。またユーロは対ドルで1.0950~1.1150、対円では119.50~121.50円と考えている。また英ポンド/ドルは、1.2800-1.2950と小動きを予想している。
(2019/10/30, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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