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第360回 ~自由主義を小さくするトランプの壁~

2019年11月06日

11月に入って、米経済指標の良好な結果を背景に、ドルは再び上昇基調へ転じているように見える。10月末の日米中央銀行の政策決定会合で、米国は0.25%利下げ(FFレート誘導目標:1.50-1.75%)、日銀はフォワードガイダンスで、マイナス金利の深堀を容認することを示したが、量的な緩和政策は現状維持と、予想通りとなった。この結果を受け日米金利差縮小の動きを背景に、ドルインデックスは11/1には、97.107と約2か月ぶりの安値を付けた。

今日までの1週間(10/30~11/6午後6時現在)のレンジは、107.89~109.24円とほぼ予想(107.80~109.20円)通りだった。ただ個人的には109円台に定着するとは考えていなかったので、昨日からの109円ばさみの推移からは、ドルは息を吹き返したように見える。今まで市場を支配していたドル安バイアスは、これで本当に転換したのだろうか?相場に逆らってはいけないが、しかし相場に翻弄されるのもよくない。方向性に違和感を感じているので、今後の動きを考えてみたい。

109.30円を超えれば110円が見えてくる。市場にはそんな声が流れている。確かに、「これまで頭を押さえられていた200日線(今日現在、109.01円)を超えた。そして、いままでドル安の材料だった米中問題は悪化に歯止めがかかってきた。米経済は10月の後退感から回復の兆しがある。その結果、低下してきた米金利は下げ止まりから上昇に転じてきた」などと、ドル買いへの反動をもたらす材料が目白押しだ。そこで、市場は、周りの様子を見ながらだが、ある意味鬱積した気分から解き放たれて、ドル買いに歩を進めている、そんな心理だろう。

しかし、本当に潮目が変わったのだろうか。わからない時は市場の声を聞け、とはよく言うが、筆者には、こんな風に聞こえる。「短期的には、買われる時期。ただ、勢いは弱い。まるで亀の歩みだ。これは何を意味するのだろうか。考えどころだ」と。そして「そうだ、2020年を見据えれば、ドル買い一辺倒にはならないということだろう。米大統領選挙次第ではドル離れが一気に進む可能性もある。セル・オン・ラリー(買われたら売り)の戦略も必要だ」との声が覆いかぶさってくる。

米大統領選挙(2020年11月3日)まで1年を切った。すでに選挙戦は始まっており、選挙を占う出来事が相次いでいる。今日は、米ケンタッキー州知事選で、民主党が、共和党の現職知事を破った。トランプ大統領の応援にもかかわらず、共和党の地盤を失ったことで米国では、大きなニュースになっている。また、温暖化対策のパリ協定からの離脱を正式に表明したことも問題含みである。「ベルリンの壁撤廃によりなされた自由主義の約束は反故にされ、かえってナショナリズムを増長させた」との記事(英ファイナンシャル・タイムズ紙、2019/10/31)は、トランプ大統領の保護主義に対する批判でもあり、今後の世界情勢を見るための示唆に富んだ考え方で、今後の世界情勢をみる際に注目に値するものだ。

大統領選に限って言えば、民主党は候補者を絞り切れていないし、2期目は現職有利という構図は変わっていない。経験則的には、株価は少なくとも選挙の6か月前(2020年5月)までは、堅調に推移するとの見方もある。現状ではトランプ大統領の再選の確率は高い。しかし、来年の予備選開始(2020/2/11、ニューハンプシャー州)まであと3か月もあるが、弾劾裁判の審議を加速するなど、もう選挙戦は中盤にかかっている。ドル離れとなる潜在的な要因だ。

今後1週間の予想は、ドル円は、107.50~109.50円。またユーロは対ドルで1.0950~1.1150、対円では119.80~121.80円と考えている。また英ポンド/ドルは、1.2750-1.2950と全体的に動きがでてくると予想している。
(2019/11/6, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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