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第362回 ~しばし、ドル買いで凌ぐ~

2019年11月27日

一週間連載を休んでいる間、結局大きな為替変動はなかった。米中協議やブレグジットなど不確定要因はあるものの、方向付けるような決定はなされなかったことで、為替相場は小動きだった。ただ筆者が考えていたよりもドル高傾向で推移、ドルインデックスは低下後上昇に転じ、ドル円では109円台固めを感じさせ、またユーロは1.10割れ定着を想定させる相場展開となった。

米経済は、10月の悲観的な状況から予想以上に反転、10月は一過性であったとの見方の広がりが、ドル買い安心感をもたらしたようだ。ただ、ポンドは、総選挙での保守党勝利予想が優勢になっていることを背景に、かなり善戦している。引き続き予断を許さないが、トランプ大統領が2020選挙での再選狙いで、これからも穏当な政策を繰り出してくるとの想定から、極端なリスクオフにはなりにくいとの見方に加え、今週から、米国は本格的なクリスマス商戦が始まることで、米中協議が決裂しない限り、しばらくドルは堅調に推移すると考えられる。

しかし、それ以上にこれまでドル安要因と考えられていた米景気後退懸念が、薄らいできたことが大きなドル買い要因になっているのではないかと考えている。10月に発表された指標では、いよいよリセッションに備えなければならないか、と思えるほど、足元(前月比)が悪化していたが、11月発表ではその見方を覆すような発表が続いているからだ。

具体的には、一番心配されたISM製造業景気指標が、50割れのままであるものの、反転(前月47.8→48.3)したことが大きい。非製造業も前月の下降(9月56.4→10月52.6)から54.7に上昇したこともドル買いの材料になり、その後の経済指標も景気強気派を力づける数字が続いている。

なによりも雇用統計がグッドサプライズになった。ヘッドラインでは、非農業部門雇用者数(NFP、Non Farm Payroll)は、予想(+8.5万人)より多い+12.8万人だったが、前月の18万人(改訂後)より少ないことがわかり、最初は失望感が出た。しかし詳しく見ると、前2か月計で9.5万人の上方改訂となり、合わせて22.3万人となったことで、すぐにドル買いに転じた。また失業率は、前月の3.5%より0.1%上昇、3.6%と発表になったが、これは四捨五入の関係で、実質は0.04%の小幅増加(3.52%→3.56%)であることがわかり、50年来の低水準であることに変わりはないことも材料になった。

その後発表された小売売上高は、前月のマイナス0.3%から+0.3%に回復(前月比)し、年率でも前月(+4.1%)より低下しているものの+3.1%と2010年から毎月継続して増加しているほど強いままだ。雇用市場が好調で、株式市場も史上最高値更新を続けていることから、この傾向は続くとの予想が優勢だ。また住宅市況も主要指数(住宅着工、中古住宅販売、新築住宅販売)は、すべて10月の低下から反転、傾向線は、ほぼ年初からの増勢ラインに戻っている。唯一心配な点は、前2か月マイナスが続いている鉱工業生産だ。ただ、この大きな要因はGMのストの影響だが、すでに解決済みであり、来月は回復するはずとの見方で、ひとまず様子見となった。11月は圧倒的に景気安泰との指標発表であった。

来週からは今年最後の攻防となる。ただ今後1週間は、本格的な取引は感謝祭明けの来週以降になるので、変動幅は小幅で、ドル円は、108.50~109.50円と予想。またユーロは、対ドルで1.0950~1.1050、対円では119.80~120.80円と軟調推移と考えている。また英ポンド/ドルは、総選挙での保守党勝利の予想はあるものの、その後の移行交渉に曲折が懸念されることから1.2700-1.2900と軟調推移を予想している。
(2019/11/27, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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