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第371回 ~しばらく中央銀行の出番なし~

2020年02月05日

ドルは強い。先週からこの勢いは衰えていない。トランプ大統領が昨日の一般教書で、米国経済の成長を誇示していたことも、ドルの強さをサポートする一因となっているだろう。コロナウイルスの世界的拡大が懸念された1月末にはリスクオフの円買いで108.30円まで円高となったが、それは一時的であった。その後ドルはじりじりと買われ、今現在(2/5 午後8時)109.70円近辺まで上昇。昨年末に上値抵抗線として位置していた109.75円目前である。ここを上回れば再び110円に突入する可能性が高いが、個人的には、そう簡単に一方的なドル高が進むとは思っていない。

さて、先月の日欧米中央銀行の政策決定会合は、いずれも現状維持で全くの無風と言ってよいほどであった。特にFOMCは、終了後の声明で、前回と変化があったのは、わずか2か所、それも文章でなく単語を入れ替えただけ。ドットチャートや経済見通しを発表する月(3,6,9,12月)ではなかったので、声明文やパウエル議長の記者会見が変化を探る大きな手段であった。FOMC会合としても変えようがなかった背景を考えてみた。

その理由として、一つは米国景気拡大が順調であること。そして世界の政治社会情勢の混乱リスクが思ったほど拡大していないと思われることである。今の情報時代、世界中で何が起こっているかが瞬時に伝わるが、同時に、何が起こっているかわからないという不安からも解消されている、ともいえる。

米景気が好調なことだが、この傾向が特に意識されるようになったのは、住宅関連指標である。住宅着工は12月増加戸数が2016年以来の160.8万戸(年率)で、全米着工戸数として2008年以来の多さであった。また、中古住宅販売は約2年ぶりの増加率であり、むしろ加速気味で先行き反落する恐れがあるとして懸念されるほどだ。在庫が3か月に減少し1999年以来の低い水準であることや、販売価格が上昇していることがその懸念される理由だ。

その後1/31に発表になった個人消費支出も好調だった。2019年年間での物の消費の伸び率は6.2%増加、これまでの最大伸び率である2006年と同じ強さだ。この勢いは、企業の景況感まで広がっている。2/3に発表されたISM製造業景況感指数が予想(48.5)を超える50.9となり、いわゆるポジティブサプライズとなった。昨年7月以来の50超えだ。上昇幅(+3.1)は月ベースとしては2013年以来の大幅であった。中でも個別指標でみると、先行き見通しを判断する、二つの指標が、顕著な上げ幅を記録した。製造(+9.5)は6年ぶりの上げ幅であり、新規受注(+4.4)は、過去6か月ぶりに50超えを記録した。

最近の経済指標をみると、引き下げの理由がない。端的に言えば。FRBの出番はないともいえる。今週末は、毎月の最大イベント、雇用統計が発表になる。今回の予想は非農業部門雇用者数は、16.5万人(先月は13.9万人)、失業率は3.5%(前月と変わらず)である。しばらくは、米国経済指標の結果で、ドル相場が左右される度合いが強まっていくと思われる。

今後1週間は、ドル円は、108.80~110.20円、ユーロは、対ドルで1.0950~1.1100、対円では120.00~121.50円、また英ポンド/ドルは、1.3000-1.3200と予想している。

(2020/2/5, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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