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為替大観

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第375回 ~見えた! 潮の変わり目~

2020年03月04日

ついに出た! 臨時G7電話会議。中央銀行の決定会合予定日(3月17~18日)を待たずして、即決の変更であった。

「政府の政策に逆らうな」との市場でよく言われる格言に従えば、これで一連の下落相場は終わり、これからは底値を確認したうえで、上昇相場が始まる、となる。この流れでいえば、為替市場ではドル金利の低下でドルは下落、円は上昇することになる。 ただ今回は、これまでとはかなり違う動きを示しており、ドルの底値も見えない。

FRBは昨日午前10時(NY時間)に利下げを発表した。0.5%下げ、FF誘導目標を1~1.25%とした。金利低下=株高との考え方でいえば、株式相場は反転するとみられたが、動きは全く逆、材料出尽くし相場となった。シカゴ先物市場(CME)のフェドウォッチですでに利下げ予想が高まっていたし、週初のパウエル議長の会見から、金利引き下げは市場に織り込み済み、との観点だ。

米国ダウ平均は、その時間を高値にして、その後は続落、約3%下落してほぼ安値引けとなった。一方ドル円は、同時間の107.60円近辺から低下したが、上下動を繰り返し、今朝の106.85円を安値に反転、今日の夕方には、107.69円まで上昇した。その後107.50円を挟んでもみ合っている状態である。

ところで、振り返るとこの1週間は、ほとんどすべての商品が大きく値を下げた。100ポイント目前まで上昇を続けていたドルインデックスは続落、今年1月8日以来の97割れとなり、原油WTIも2018年12月下旬以来の43.87ドル(1バーレル)まで下落した。それに対し、安全通貨として、スイスフランは約2年ぶりの高値となる0.9516フランまで上昇、円も約5か月ぶりに106.85円を付けた。

まさに2週続けて’Cash is king’ 状態となり、多くの資金は米国債に流入した。結果、国債史上最低金利を更新、10年債は、終値は0.996%であったが、一時は0.931%まで低下した。今日も先物市場で低下を続け、現在(午後7時半)0.94%となっている。これがドル円の戻りの弱さを演出しているといってよい。

この勢いがいつまで続くかが問題であるが、「金」相場にヒントがある。これまで我が道を行く、と上昇を続けていたが、ここにやや異常ともいえる動きが出てきた。先週末2月28日、1,562.76ドル(1オンス)へ、突然85ドル(約5%)も暴落したことである。リスク資産は全売りの勢いだが、売るものがなくなって「金」まで手を付け、益出しし、損失額の縮小を図ったと言える。その証拠に、週初はその下落を取り戻し、再び1,640ドルまで戻った。

しばらく「政府に逆らうな」と「先行く不透明なコロナウイルスの影響拡大懸念」との両にらみが続くと思うが、米株式S&P500もすでに高値から15.8%も下落しており、底値は着実に近づいていると考えている。ドル円もまずは108円台への回復がそう遠くない時期に出てくるだろう。

今後1週間は、ドル円は、107.00~108.50円。またユーロは、対ドルでは、1.1000~1.1200、対円では118.50~120.50円、英ポンド/ドルは、1.2650-1.2950と予想している。

(2020/3/4, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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