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第377回 ~パンデミックは長いと覚悟~

2020年03月18日

 金融市場の暴風雨はいつ止むともしれない大波が押し寄せているが、先週末に1,048ドル上げたNY株式市場を見て、もう 下げは止まっただろう、と気持ち明るくなった。しかし今日の午後の市場を見ると、これは「もうはまだなり」と考えたほうが良さそうだ。コロナの終息時期が明らかになって、初めてこの荒れ相場は終わる。まずは、その時期を確認しなければ、安易に結論を持つことは危険だ、と気持ちを引き締めている。

 ではその時期はいつか。相当時間がかかる、と悲観的になってきた。終息の時期は、トランプ大統領の言う夏というのは、楽観的かもしれない。アメリカのCDC(全米疾病対策センター)ウエブページに記載されている過去のパンデミックの説明が米国の金融市場で注目され始めてきたと、米国の友人が教えてくれた。

 それは、1918-19年に世界的に流行した1918パンデミック(H1N1ウイルス、通称:スペイン風邪)の例である。100年以上前の例だが、説明によると、流行が3段階あったと記録されている。現在とは世界環境が違うのは確かだが、逆にグローバル化で人や物の移動が広範囲で、スピード化が進んでおり、人口も大きく増加しているので、菌の拡散する力、保菌者の潜在的な幅広さは、現在のほうがはるかに強く深いとの言い方もできる。とすれば、現在の流行が収束しても、完全に菌を封じ込める終息には至らず、時期を経て再発する可能性を否定できない。

 ただ、為替相場でいえば、今回は最後に近い段階になっているのではないかと思える。特にエネルギー関連通貨が長期的な安値に至っているからである。その代表的な通貨は英ポンドである。1.20を割ると、1.185台まで急落、1985/3以来という35年ぶりの安値に沈んでいる。また、カナダドルも続落、1.4690を抜けると2003年4月(1.4940)の安値となる。今回の相場下落の主要因となっている原油相場も続落、26.06ドルを割れば、2003年2月以来の低水準となる。

 その点、ドル円はまだ円高水準と言える。ドルインデックスは100目前、通常であればトランプ大統領からドル高牽制の発言がでても、おかしくないが、今の米国がリセッションの恐れがある中、ドル高がアメリカの強さを示す現象とすれば、ここでドル高を失う発言はしないと考えている。また、日本の課題や、日本からの資本逃避の可能性を考えれば、円安の余地は広いと思っている。

 今後1週間は、引き続き荒い展開を予想し、ドル円は、106.50~108.50円。またユーロは、対ドルでは、1.0800~1.1100、対円では116.00~119.00円、英ポンド/ドルは、1.1600-1.2100と予想している。

(2020/3/18, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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