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第384回 ~米 三つのIF(もし)~

2020年05月20日

昨日(5/19)夜、海外市場で約1か月ぶりに108円台に乗せた。だが滞在時間は約20分間で、また107円台に逆戻りした。108 円台が遠い。前回NY終値で108円台となったのは4月10日。その日から今まで108円台を付けたのは2回(4/16と4/23)だけだったが、いずれも日中で、終値は107円台。今回は3回目の挑戦だったが、失敗に終わった形だ。筆者の経験では、2度あることは3度ある。そこで3度目に成功すれば(今回のケースではNY終値が108円台)、ドル上昇基調に転換、となるが、結果としては失敗に終わった。しばらくはドル軟調に推移することになる。

この背景には何かある! と、そこで浮かび上がってきたのが、米国市場に浮上してきた「米国にある三つのif(イフ)」であった。いずれのケースも基本的にドル安をもたらす要因となる。

最初のifは、「トランプとペインがコロナに倒れたら・・・」である。米国の新型コロナの感染者がホワイトハウスの深く侵入してきた。伝えられるところによると、1月に一人が感染したが、今回は心臓部で発生。ペンス副大統領のミラー報道官への感染が判明(5/8)。前日にはトランプ大統領の身の回りに世話をするスタッフの感染も出ていたので、急にリスク管理の観点から最悪ケースが想定された。トランプ大統領が未承認薬の抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを服用していることも、問題を大きくしている。

ここで焦点になるのは、大統領が倒れた場合の継承者である。副大統領が健全であれば、同じ共和党で問題はないが、万が一、ペンス副大統領も継承不可能になった場合である。第2順位は下院議長である。今は民主党のペロス氏だ。時間が経ち、落ち着いてくれば、市場も安定するであろうが、発生当時は、政権運営が大混乱となるであろうから、金融市場は株は暴落、ドルも急落との大荒れとなる可能性もある。ちなみに憲法と大統領継承法によれば、第3順位はグラスリー上院仮議長、以下、国務長官、財務長官、、、と17順位まで決まっている。

次のifは「FRBがマイナス金利を導入したら・・・」である。パウエル議長は、最近の講演会(5/13)で質問に答えて、その議論はないと明確に否定している。しかし市場は100%信じていない。現に、先週(5/15)には金利先物市場(CMEに上場されている30日ものFedFund金利)で2021年4月決済で ‐0.005%のマイナス金利が発生した。昨日5/18には、より先の2021/8限月でマイナス金利となったので、可能性は後退しているが、トランプ大統領は圧力をかけており、今後の状況では、FRBがいつ心変わりしてもおかしくない。

そしてifその3は「中国が米国債を売却したら・・・」である。これまでの何度となく、出ては消え、出ては消えを繰り返しているが、最近の米中摩擦の高まりで、改めてこの問題が再発してきた。2020年3月末の中国の保有額は日本に次いで第2位1兆820億ドルである、1年前には中国が1位であった。徐々に残高を減らしており、また外国による保有額シェアーも大きく減少している(18/12の17.9%から、20/3は15.9%)。外貨準備構成の組み換えもあり、目が離せない。これは次回に詳しく述べたい。

今後1週間は、ドル円は、変わらずの106.50~108.50円。またユーロは、対ドルでは、1.0850~1.1050、対円では117.00~119.00円、英ポンド/ドルは、変わらずの1.2100-1.2300と予想している。

(2020/5/20, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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