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第386回 ~何でもありの米国で円安~

2020年06月04日

先週出したドル円の1週間予想(107-109)は、今まで(6/4 午前1時現在)のレンジ(107.08-108.98円)では、ほぼピッタリだ。ただ反対にユーロ、ポンドは全くの見込み違い、予想に反して今週に入って大きく上昇に転じた。いわば、為替市場が一気に動きだした感だ。

背景は、コロナに縛られている世界からの脱出である。先行きの世界景気に対し明るい兆しが見えたことが、市場心理を明るくした。リスクオフで買われた米ドルと円が、そろって下落に転じた。世界的に自粛緩和の動きが出てきたことに加え、独仏が7,500億ユーロの救済プランの提案を発表したことを市場が好感。ユーロは、1.12台にのせ、3/16以来の高値となり、ポンドも上昇、ほぼ1か月ぶりの1.26台に乗せた。

ドルに関していえば、米国でデモや暴動が全米に拡大したことがドル安要因とみられた。金も反落し、週初に始まったリスクオンの流れは止まらない。豪ドルは0.70台の年初来高値に近い強い動きとなり、原油も続伸し、40ドルを目指す勢いとなっている。結果としてドル指数は97.2台とほぼ2か月半ぶりの安値水準まで下落している。

この動きは、今後どこまで続くか?この鍵は二つ。一つは金融市場の脅威になっているトランプ大統領の対中戦略の積み上げの動きであり、もう一つは、米国景気の回復基調である。新型コロナの感染拡大はまずは峠を越えたとみていいだろう。もちろん第2波が控えていることを忘れてはならないだろうが、コロナを恐れて何も動けない、という時期は終わりつつあると考えている。

まず、最近特に目につくのがトランプ大統領の矢継ぎ早の対中制裁の発動だ。米中摩擦は激しさを増しており、米中全面戦争へ突入がすぐ目の前まで来ているとの危機感を感じる。ファーウエイ制裁強化に始まり、連邦職員年金の中国株投資停止、WHOからの脱退、そして香港国家安全法に対する香港優遇措置の撤廃と続き、さらに米国が議長の今年のG7会議について、ロシア、インド、豪州、韓国の招待を発表、中国包囲網を着々と拡大している。そして今日(6/3)は中国航空会社の米発着便の一時運航停止を発表、まさに打てる手は何でもやる意気込みである。

この勢いが加速すると、中国が何もしないわけにはいかないだろう。そこで出てくるのが、米国以外の地域、国への攻勢と、アメリカ離れの加速である。前者には、南シナ海への実質支配の拡大強化、一帯一路の深化があり、後者には、先週取り上げた“ifその3”(中国の米国債の売却)もメニューが入ってくるだろう。新しいリスクオフの勃発も準備しておかなければならない。

そして米国景気動向だが、今のメインシナリオはゆっくり回復していくいわゆるナイキ(✓)型だが、この考え方に沿って経済が回復していくかである。微々たるものだが、先月末から見えてきた回復の兆しが本格化していくか注目である。その代表的な指標が、もはや最優先指標となった「失業保険新規申請者数(イニシャル・クレイム)」だ。雇用統計が1か月遅れの計数であることに対し、イニシャルクレイムは1週間前の数字が毎週木曜日朝に発表になり、実態に即した数字として好まれているからだ。今日(6/4)に発表になる。

3月28日に終わる週の686万人を最大にして、それ以降毎週減少し、先週は212万人であった。増加が始まる前(3/14)が20万人台であったことを考えれば、まだまだ大きな数字であるが、低下減少が続いていれば、リスクオンの流れは強化されるであろう。とはいえ、雇用統計(6/5発表)も無視できない、今日現在の予想は、雇用者数はマイナス550~800万人(先月は2,053万人)、失業率は18~20%への上昇(先月は14.7%)となっている。市場の反応は、絶対数字でなく、予想に比べての良し悪しである。

さて今後1週間の予想だが、ドル円は、円安基調継続で、108~110円と予想する。またユーロはECB理事会(6/4)の緩和見通しを材料に、対ドルでは1.1000~1.1300、対円では120.00~123.00円と予想、また英ポンド/ドルでは、1.2250-1.2650と予想している。

(2020/6/4, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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