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第403回 ~勝者は司会者、敗者は米国民 ~

2020年09月30日

「ケイアス!(無秩序)。まれにみるお粗末な討論会」
「敗者は国民、勝者は司会者」

今日の米大統領候補討論会の米メディアの総括である。終了直後の市場の反応は、株価下落、ドル安となった、ただ為替では、ドル高に転じ、ドルインデックスでは93.80から徐々に上昇、現在(17:30)は94ばさみとなっている。一方ドル円はバイデン優勢との報で、増税懸念から株価は下落、小幅ドル安となったが、午後には反転、105.60台となっている。

終了と同時に、支持率調査が行われた。CNNの調べでは、バイデン勝利が60%、トランプ勝利が28%と出た。明日になれば、多くの調査が明らかになるが、相対的には、事前の下馬評と比較すると、バイデン氏がトランプの挑発にのらず、またオバマ政権時に副大統領であった経験の裏付けから、落ち着いた対応であり、懸念された認知症懸念も払しょくされたことが、この評価の要因と思われたる。

今日の討論会を聞いた筆者の感想は以下の通りだった。トランプ大統領は、エネルジックな話しぶりで現職の実績を各論で強調したが、独善的、独りよがり、ルール無視で、焦りも感じられた。一方、バイデン候補は、冷静で、視聴者意識の話し方は好感持てたが、総論の抽象的な説明で迫力なし。しかし、期待が低かったことを考えれば、失点がなかったことで安心感が出た、といえる。ただ、まだ戦いは始まったばかりで、郵便投票への対応も長引きそうであり、投票日の11月3日には結果が判明しない可能性も高い。市場でもどちらかに方向性を打ち出すのは時期尚早と思われる。

その中で、注目の高い大統領選挙予想に出会った。それは、1984年から勝者をぴたりと当てている歴史学者のアラン・リッチマン(Alan Lichtman)教授の予想である。2020年はトランプは敗北と予想した。同教授の判断基準は、TrueかFalse(イエス/ノー)で判断する「13のカギ(13 keys to The White House )」という。まとめて言えば、「短期的/長期的経済成長の有無」「社会不安の有無」「スキャンダルの有無」「外交/軍事の失敗や成功の有無」「カリスマ的要素の有無」「現職」「中間選挙の結果」などである。13項目のうち5つ以上にノーがあると現職が敗れるというが、トランプ大統領は、現職敗北のケースに該当するとの判断だ。

今後、10月15日に第2回目、22日に第3回目が大統領候補同士の討論会が行われるが、これ以上に注目されるのが、来週実行される副大統領候補の討論会だ。10月7日に同時刻にユタ州ソルトレークシティで開催される。民主党ハリス候補ははもと検察官であり、性格的に大統領候補の討論とは逆の立場になるとみられ、またハリス氏は、バイデン候補が高年齢であり、非常時に大統領職を承継することになることから、大統領としての資格、素養があるかどうかも試される。

ところで、経済的には、今週末10/2に雇用統計が発表になる。市場予想は、非農業部門雇用者数は100万人増(前月実績137.1万人増)、失業率は、7.9%(前月8.4%)である。また、10月1日には日銀短観の発表が予定されている。そこで、今後1週間の予想レンジは、ドル円は先週より若干の円弱含みの104.80~106.50円。またユーロは1.1600~1.1800、対円では前週より円安の122.50~124.50円。英ポンド/ドルについては、先週と同様の1.2650-1.2950と予想する。
(2020/9/30, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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