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為替大観

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第420回 ~再び米ドルの力~

2021年02月10日

 先週末にドル円は約4か月ぶりに105.77円まで上昇し、長期(200日)線を越えた。レンジが[103.00円~104.50円]から、[104.00円~105.50円]へ、ドル高方向へのシフトが確認できたと考えている。ここ2週間の展開を見ると、長期線を越えたと言っても日中相場であり、終値ベースではまだ超えることができず、その後反落し再び104円台での取引に戻っている。しばらくは、中期(89日)線<104.25円近辺>と長期(200日)<105.50円近辺>線に挟まれた中で、上下動を繰り返すと予想している。

 さて、今回のドル高は、コロナワクチンの接種拡大の期待と、米国政治の落ち着きが下支えになっているが、米金利の上昇=日米金利差の拡大もサポート材料になっている。米10年国債利回りは、2月8日に1.2%に上昇し、約11か月ぶりの高水準となった。ちなみに30年債は同じ2月8日に約1年ぶりに2.00%を超えた(現在は1.95%)。一方、円の10年国債金利は、今日は0.075%と上昇気味だがほぼゼロ金利ののままと言ってよい。そこで、米ドル金利が上昇した分だけ金利差は拡大したことになる。実際は物価上昇率を考慮した実質金利で比較するべきとの考え方もあるが、名目金利でもしっかり押さえておくことも必要だ。

 また、米国景気の回復には今一つ強さを実感できないが、かといって悪化しているわけではない。やはりリスクオンになって、「お金は高い所に流れる」という原則が効いているようだ。高い所、それは、安全性(元本)、成長性(時価の増加)、利殖性(定期的な収入)であるが、特にパンデミック波乱後は、成長性が重要な視点になっている。株価にスポットライトが当たっているのはその理由だ。

 「バブルだ!」 「バブルは近い!」 「そろそろキャッシュ比率を上げたほうが良い!」 などとバブル破裂の警戒が言われ続けているが、それ(バブル破裂)は一向に来ない。今や「ダンス音楽がかかっている間は踊りをやめられない」と、今や「持っていないことがリスク」という言葉が声高に聞こえるようになってきた。しかし、過去の例では、その言葉は危ない!! 逆に「バブル破裂のサイン」と個人的には警戒感を高めている。米国で、バブルがはじける時の相場の上昇角度はエッフェル塔と同じと教えられた。エッフェル塔の写真と見比べている毎日である。

 ところで、予想と実績をいつも比較しているが、この1週間は本稿の先週の予想レンジ通りに展開した。ドル円は、104.00-105.50の予想に対し104.50-105.77と円安方向に上振れしたが、4か月ぶりの高値を付けた後、200日移動平均に跳ね返されて、104円台に反落した。円高が進むとすれば次の円高ターゲットはこれまで上値抵抗線であった中期(89日)線の104.25円とおいている。ユーロは1.1950-1.2150の予想に対し1.1952-1.2134とほぼ予想通り。ただポンドは強かった。予想が1.3500-1.3800に対し、実績は、1.3564-1.3828とポンド高に推移した、マイナス金利の可能性が先送りになったこともその一因だ。

 さて、今後1週間の相場見通しは、ドル円は先週と同じく104.00~105.50円を予想。ユーロは、対ドルでは上昇し1.2050~1.2250、対円で先週と同じく125.50~127.50円と予想。一方、英ポンドは堅調地合いが続き、1.3600~1.3900と予想する。

(2021/2/10, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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