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第451回 ~二度あることは三度ある~

2021年09月29日

ドル円は年初来高値(111.66円―7/2)を更新した。昨日は、2銭足りずに更新できずであったが、今日は、わずか2銭超えたのみではあるが新高値を付けた。ワンタッチという感じであり、とりあえず目標達成ということで、市場は一息付いたとの印象である。今のところ、明確に新しいレンジに入ったとは言えない状態と考えている。そこで、これが本格的に、112円台乗せの市場の力か、それとも一旦110円台に戻り、仕切り直しになるか、を考えてみたい。

今回の円安への急発進は、先週開催された米国中央銀行FRBの政策決定会合FOMCの声明と直後のパウエル議長の会見が大きな節目となった。新型コロナによる経済悪化対策として始められた「大型資金供給(毎月1,200億ドルの債券購入)の段階的な減額」(テーパリング)が、11月のFOMC(11/2-3)で決定される可能性が高まったことである。

正式決定は早ければ今回の会合で決まるのではないかと考えていた向きには、失望感をもたらしたが、少なくとも前回の会合より一歩進んだ表現によりFRBが決意表明をしたと判断され、特に米国債券市場は明確に反応した。10年国債利回りは急上昇、発表前(9/21)の1.328%(終値)から、昨日(9/28)は1.567%まで上昇した(終値は1.546%)。

一方、日本10年国債利回りも同期間で0.040%から0.075%まで上層傾向を示したが、金利差でみると0.2%以上の大きな拡大となった。特に2年国債などの短期債の上昇率は大きく(同期間で、0.218%から0.321%へ)ドル上昇の大きな要因となった。この米国金利の上昇傾向は、米景気動向の大きな後退・落ち込みや、株式市場の極端な下落がなければ、下落に転じる可能性は少なく、10月もドル上昇の方向性は続くとみている。

ただ、明日は日本では半期末、海外では四半期末の節目えあり、短期的にはドルの調整売りが入ると予想している。チャート的にもドル上昇の行き過ぎ感がみられ、110.50円程度まで低下する可能性がある。日足では昨日までは5連騰となっているが、今日は執筆時点ではドルは111.20円近辺まで下落している。このまま進めば、上ヒゲのある陰線となり、最近の例からもドルの上昇幅の半値以上の下落が計算できる。

具体的には、3月(24→31日)は、108.45→110.97円に6営業日連騰(2.32%)、8月(4→10)は、108.72→110.60円に5営業日連騰(1.73%)であったが、今回(9/22→28)は109.12→111.64円で5営業日連騰(2.31%)となっている。上昇率は3月とほぼ同じ、またローソク足でみると下落に転じた陰線も似たような形であり、下落後の4日目の相場は、3月は上昇幅の半値程度、8月は約7割下落した。今回の下落幅を半値とすれば110.40円前後までドルは下がることになる。これはあくまでも計算上のことであるが、移動平均線との乖離も3月と似たような幅であり、二度あることは三度ある、ではないが、個人的には110円半ば程度まで想定しておきたい。ただ、今回のドル上昇の要因は、かなり金融政策と深くかかわりがあり、「当局に逆らうな」との言葉に従えば、下がったら買いという気持ちも大事と考えている。

なお、米国債務天井問題が未解決で、政府機関閉鎖もうわさされている。下院は、つなぎ予算と債務上限適用を2022年12月まで凍結する法案を可決したが、議員数が拮抗する上院では、共和党の反対で協議が進まない。ドル売り材料としてドル上昇の重しになると注目している。

さて、今後1週間の相場見通しは、ドル円はドル高基調はいったん頭打ちとなり110.20~111.60円と予想。またユーロは、ドイツの総選挙結果を受けて組閣の難航が予想されることから弱含みに推移すると予想、対ドルで1.1580~1.1780、ただし対円では先週と同じ128.00~130.00円と予想。英ポンドは1.3400~1.3650とポンド安基調予想する。

(2021/9/29, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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