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市場養生訓

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第665回

2017年04月04日

 世界の外貨準備のデータがIMFから発表された。四半期ごとのもので昨年末時点のデータだ。そこから読み取れる点を列挙する。

1.最大の注目点は今回から人民元の内訳が発表されることだ。秘密主義の濃い中国が良く同意したと思うが、これも人民元をSDRの構成通貨に加えることの条件と理解したのだろう。1.07%だった。予想以上に低い。SDRの割合ではドル、ユーロに次ぎ、円やポンドよりも割合が大きかったが、世界の外貨準備では円の4分の一、カナダドルやオーストラリアドルの半分だ。
 これは人民元の運用や調達について世界の外貨準備の運用者が信頼を置いていない表れだ。つまり人民元は国際通貨としての信用を有していない。この点ではIMFによる人民元のSDR構成通貨入りの決定は妥当性を欠いた政治的な判断と言える。

2.世界の外貨準備の総額が2千億ドル減少したが、これは中国の外貨準備額が減少したことと、ドル高によるその他通貨のドル評価額の減少によるものと推定される。

3.ドルの割合(63.96%)は前期よりも増加した。これは1年ぶりだ。トランプトレードや利上げの影響と思われる。

4.ユーロの割合(19.74%)は減少したが、1年間で見ると20%前後を行ったり来たりで明確な方向性は見られない。

5.ポンドはBREXIT決定以降、割合は若干減少傾向だが、絶対額では大きな変化は見られない。

6.円の割合は4.21%とポンドより若干下回るが、昨年第二四半期から拮抗してきた。

7.カナダドルとオーストラリアドルの割合は似たようなものだったが、このところカナダドルが上回ることが多い。今回カナダドルは2%を超えた。両通貨とも資源国通貨だが、カナダはG7のメンバーであり、国際性おいて一日の長あり。
 現在アイスランドが自国通貨を変動相場制から固定相場に移行することを検討中との話があるが、ペッグするのはユーロの可能性が高いがカナダドルも候補に挙がったほどだ。

8.その他通貨の割合(2.55%)は1%ほど減少したが、これは人民元が抜けたことによる。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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