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市場養生訓

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第725回

2018年06月19日

 今日はワールドカップ、日本対コロンビア戦があるので市場に集中できない人も多いに違いない。南米の強豪チームであるブラジルもアルゼンチンも大方の予想に反して初戦を引き分けた。そこでコロンビアも引き分けに終わる、と予想するのは甘い期待だろう。だがその可能性があるのがサッカーだ。

 コロンビアは大統領選の決選投票が終わったばかりで、予想通り史上最年少41歳の大統領が誕生した。ノーベル平和賞を受賞した前大統領が締結した左翼ゲリラとの合意の見直しを主張していた。汚職やコカインの問題など社会に長い間はびこる問題への取り組みを含めて、合意の修正を平和的に実行できるかが今後の課題になる。

 南米の通貨というとブラジルレアルやアルゼンチンペソが代表的で、両通貨ともこのところ通貨の下落が顕著だ。ペソは年初来50%ほど下落しているし、レアルは年初来16%下落している。

 南米諸国は元々米ドル選好が強いため、ドル金利の上場局面では特に下落が顕著になることが多い。それに政治リスクが加わり、レアルやペソは大幅な通貨下落に見舞われた。

 ところがよく見るとそれほど下落していない通貨もある。その一つがコロンビアのペソであり、ペルーのヌエボ・ソルだ。ペソは、上下はあったものの年初の水準と現在は同じであり、ヌエボ・ソルは年初来1%強しか下落していない。

 為替管理の程度などの要因もあるため一概には言えないが、通貨の下落の程度が少ない通貨はドル金利の感応度が低いとも言える。

 それにドル金利についても利上げサイクルの頻度や持続性について市場では若干控えめな見方が増している。FOMCのメンバーは今年4回の利上げ、つまり今後2度の利上げの見方が多数だが、市場の見方では9月の利上げはほぼ確実だが、12月の利上げの可能性は50%ほどだ。

 長期金利を見ると10年の米国債のイールドは、直近で2.9%水準だ。なかなか3%超えが定着しない。イールドカーブもフラット化が進み、10年債と2年債のスプレッドは36ベーシスポイントに縮小している。景気やインフレ率の持続性に今一つ確たるものがない証左だ。

 ところでペルーは初戦0-1で負けた。となれば同じドル金利への感応度の低い通貨を持つコロンビアも負けるかもしれない。まさか日本に。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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