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市場養生訓

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第666回

2017年04月11日

 トランプ大統領がゴルフではなく、サッカー好きならば米中首脳会談はもっと和やかに進んだかもしれない。ただ全体としては円滑に進んだ会談との評価が多い。

 大統領は直前のFTとのインタビューで、劇的で両国にとって利益のあることに合意が成立しても驚かない、と言った。それは、米中の間の貿易不均衡是正のため100日間に具体策をまとめる協議の枠組みのことを指しているのか、表に出ていないが、北朝鮮問題で何らかの進展があったのか、それともシリアへのミサイル攻撃のことを念頭に、それが中国の利益にもかなうという意味なのか。

 いずれにせよ、確かなことは米中の貿易不均衡是正の方策を3か月余りの期間で打ち出すという点だ。米国側は商務長官が重要な役割を果たすので今後は彼の言動が注目される。

 ところでドル金利の問題だが、全体として利上げムードは穏やかになってきた。短期の政策金利であるフェドファンドの先物レートから推計する利上げの可能性は、あと二回の見通しが最も多い。6月と12月だ。つまり今年3回の利上げとの点は以前と変わらないが、その可能性は最近若干低下している。

 12月までにあと2回以上という見方も50%をわずかに上回る程度で、前月には25%ほどあった年4回(あと3回)の利上げの可能性は15%程度に低下した。

 金利に対する見方は長期ではさらに低下傾向にある。長期債が買われるのは地政学リスクの拡大という面もあるが、中長期のインフレ率の伸び悩みという面が大きい。オプションの長期のボラティリティの低下も気になるところだ。

 それにFEDのバランスシート縮小の議論が明るみになっても、市場の反応が鈍いことに現状が反映されている。バランスシートの縮小は量的緩和政策の転換の最も象徴的な事項であり、長期金利が高騰してもおかしくないオペレーションのはずだ。実際は保有証券の売却ではなく、満期が来た債券の元本の再投資を行わずにバランスシート縮小を進めるので、影響はそれほど大きくないという見方があるが、市場は普通それほど冷静には動かないはずだ。

 市場もニューノーマル仕様に変質していると考える他にない。

次回の更新は4月25日になります。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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