FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX・CFD・証券取引・外国為替のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

市場養生訓

最新の記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

第683回

2017年08月15日

 動機、理由は不明瞭でも結果が明瞭なのが市場だ。とにかく上がるか下がるかの二つだ。そして儲かるか損をするかだ。だから変動の理由なんてどうだっていい、市場(の多数)が信じていることについていけ、と為替チームのボスがディーラーたちを叱咤するのも無理はない。

 北朝鮮情勢をめぐる展開の中で円高が進んできた。安全資産へ需要が高まったためだ、と多数が信じている。

 これには円が安全通貨、避難通貨の役割を担うとの認識があるからだ。この認識は最近生まれたものではない。

 そもそも安全通貨、避難通貨の代表はスイスフランだった。政治的中立、金融の秘密保持、経常収支黒字などが安定した通貨のイメージを与え、リスクを回避するときの通貨として位置づけられた。実際にスイスの金融機関への預金という形で資産が振り替えられた。70年代にはそうした位置づけが確立した。

 80年代、ソ連が介入したアフガニスタン戦争の局面ではドルが避難通貨,安全通貨の位置づけを獲得した。ドルは国際金融の基軸通貨であり、米国は軍事力、経済力も圧倒していた。いざというときはドルを持て。有事のドル買いだ。

 90年代初めの湾岸戦争にも最初は有事のドル買いが市場の認識だった。しかし避難通貨、安全通貨のドルはすぐに消えた。米国自身が直接巻き込まれた戦争であり、リスクを負ったからだ。ドルは逆に売られた。

 そうした中で政治的な安定、経常収支の黒字に加え、資本市場を発展させ、法の整備を進めてきた日本の円が安全通貨、避難通貨としての役割を与えられることになった。特に90年代のユーゴスラビアなどの東欧紛争の時は政治的にも、地理的にも離れていた日本の円の需要が高まった。

 安全資産への逃避は預金や国債などへの資金移動を意味するが、90年代以降はそうした資産の移動よりも為替の投機取引の影響が圧倒的になった。これは外為市場の取引量において商業取引の裏付けのある実需為替を鞘取りなどの投機為替がはるかに上回るようになったことの反映だ。

 つまり為替投機をする市場参加者が安全通貨、避難通貨をどうとらえるかによって安全通貨、避難通貨の運命が決まるのだ。

 北朝鮮問題については危機が煽られているうちは円が避難通貨、安全通貨としての役割を果たしているが、危機が顕在化すれば日本が巻き込まれる可能性が高いので、その段階で避難通貨、安全通貨としての役割を失うだろう。

 その時はスイスフランやユーロがその役割を担うと考えられる。

 ただ実際にはそのタイミングを計るのは容易ではない。湾岸戦争の時も多くのディーラーはドルの買い持ちでやられた。でもそれはしょうがない。次のショートで儲ければいいのだ。

このページの先頭へ

2017年09月12日
2017年09月05日
2017年08月29日
2017年08月22日
2017年08月15日

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、取引の額の4%の額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ