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市場養生訓

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第704回

2018年01月23日

 米国の政府機関の閉鎖は3日間で終わった。移民政策を巡り与野党が合意にこぎつけ、とりあえず繋ぎ予算が通ることになったからだ。

 だが政府機関の閉鎖という見出しの仰々しさとは裏腹に、この問題の金融市場への影響は限定的だった。前回の閉鎖は2013年にあったが、この40年余りの間に政府閉鎖は18回あり、株式市場への影響も上下数%の変動で中間値は0%ということだ。しかもほとんど短期間で収束する。為替への影響も最初は影響が出ても元に戻ることが多かった。こうした事例が今回の市場の反応を限定的にした。

 トランプ大統領にしてみれば、これで心置きなくダボスに行ける。今日からスイスのダボスで世界経済フォーラムが開かれる。IMFの専務理事やフランス大統領、英国の首相、それに世界的企業の幹部たちも参加する。だが今年の注目はトランプ大統領だ。それに財務長官や国務長官など政権のキーパーソンたちも出席の予定だ。

 昨年のダボス会議では習近平が自由貿易や国際協調の重要性を指摘し、中国が世界のリーダーの役割を果たす意識を示した。トランプ政権の今回の参加は中国を意識したものであることは想像できる。

 だがトランプは国際会議で何をアピールするのか。アメリカ第一やアメリカを再び偉大にすることを繰り返すのか。それとも新秩序構想を示して新しい世界のリーダー像を示すのか。

 あまり期待はできないが、とにかく影響力を持つ人たちの集まりだ。貿易政策など金融、為替市場に影響を与える発言が出てくる可能性はある。その点では注目せざるを得ない。

 それと市場にとっての注目という点では今週のECBの政策会議も外せない。

 最近良好な景気やインフレに対する見通しが金融緩和政策の出口戦略の進行を早めることを期待する見方が市場に広がっているが、それに伴うユーロ高に対してドラギがけん制するかどうか。現在のドル安がユーロ高を軸に進行しているので、この点は興味深い。
 

※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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