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市場養生訓

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第727回

2018年07月10日

 世界の外貨準備の通貨構成比がIMFから発表された。今年第一四半期時点のデータだが、そこから読み取れる点を挙げる。

1.ドルの割合(62.48%)の減少傾向は微減だが続いている。ドル金利の利上げ後で短期金利だけでなく、長期金利も上昇したが、世界の外貨準備におけるドルのポートフォリオにプラスの影響はなかったことになる。

2.ユーロの割合(20.39%)の増加傾向が続く。ECBの金融政策の転換期待やユーロ圏の景気回復期待が強かったことの影響もあるが、ドルに次ぐ第二の通貨としてドル離れの受け皿になっている面がある。

3.人民元の割合(1.39%)は微増だが、依然として1%台前半にとどまっている。中国当局は再び人民元の国際化路線に力を入れ始めたが、異変があると容易に規制強化路線に戻る懸念がある以上、中長期のポートフォリオに人民元を組み入れることに躊躇せざるを得ない。その点が、人民元の割合は微増だが依然として低水準の背景にある。世界のポートフォリオマネージャーの懸念を払しょくするには資本取引の自由化や市場の自由化を着実に進めて信頼を得る以外になく、時間はかかる。

4.円の割合(4.81%)は前期に比べて減少した。しばらく続いていた増加傾向がストップした形だが、トレンドの変化かどうかは、もう1,2四半期見ないと判断できない。特に米朝首脳会談の影響がどう出るか、第二四半期のデータは興味深い。

5.ポンドの割合(4.68%)は増加傾向だ。データを見る限りBREXITによるポンド離れは昨年の第一四半期がピークだったようだ。その後ポンドの増加傾向が続いている。

6.オーストラリアドル(1.70%)とカナダドル(1.86%)の割合とも前期に比べて減少したが、1年前と比べれば同水準だ。両通貨とも市場で通貨分散傾向が強まったときに増加する傾向がある。

以上です。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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