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市場養生訓

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第739回

2018年10月02日

 IMFから外貨準備の通貨構成のデータが発表された。世界各国が保有する外貨準備の今年第2四半期末時点の数字をまとめたものだが、気づいた点を列挙する。

1.ドルの割合(62.25%)は低減傾向が続いている。ロシア、旧ソ連圏、それに中国も減少させている可能性はある。だが絶対額は前期に比べ人民元と並んで最も多く増えている。その点ではドル離れの進行は微妙だ。静かに進行していると言うことは可能かもしれない。

2.ユーロの割合(20.26%)は前期よりも若干低下したが、数年のトレンドを見れば増加傾向にある。EC委員長は先月ユーロの国際的利用の促進を掲げたが、今後外貨準備の通貨構成にも影響すると考えられる。その点ではユーロの増加傾向は続くと思われる。

3.人民元の通貨構成は16年第4四半期から明らかになったが、以降増加傾向が続いている。今回の割合は1.84%で、第3四半期には2%を超える可能性が高い。アフリカ諸国、ロシアなど旧ソ連圏などが増加させていると考えられる。ただそれでも2%程度で、ドル、ユーロはもとより円、ポンドに比べてもまだまだだ。

4.円の割合(4.97%)は増加傾向が続く。ドルの割合の減少の一定部分は円にシフトした可能性がある。リスク回避通貨としての側面と東アジアの緊張緩和によるリスクオンの両面で円のポートフォリオが増加した可能性がある。

5.ポンドの割合(4.48%)はBREXIT決定後減少したが、昨年第1四半期を底に戻し傾向が続いてきた。前期はBREXIT決定前の水準に戻したが、今期(第二四半期)は低下した。前期が戻りのピークで今後は減少傾向が続く可能性がある。

6.オーストライアドル(1.70%)とカナダドル(1.91%)の割合は長期の傾向としては変化が見られない。この点もドル離れが目立って進行していない証左の一つだ。

以上です。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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