FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

市場養生訓

最新の記事

第743回

2018年10月30日

 ブラジルにポピュリストの大統領が誕生したり、サウジアラビアのジャーナリストの殺害事件でトルコの政治的立場がテコ入れされたり、と地政学リスクの変化はめまぐるしく、それぞれの局面に応じて市場参加者は売買で反応する。

 今年の市場の大きな特徴の一つに新興市場国通貨の対ドルでの大幅な下落が挙げられる。米国金利の上昇を背景に新興市場国からの資本流出が加速され通貨の下落に繋がった。そこに様々な地政学リスク加わり、変動に拍車をかけた。

 ただちょっと引いて見れば新興国通貨全般の下落の中にも潮流の変化がある。

 最初の局面ではブラジルレアル、アルゼンチンペソ、トルコリラなどが下落を牽引した。そしてレアルは9月中旬、ペソは9月下旬、リラは8月中旬から9月にかけて下落のピークを迎え、現在は下落の勢いが止まるか、戻し局面にある。

 現在下落局面を引き継いでいるのはインドルピーやインドネシアルピアなどアジア通貨が中心だ。いずれも今年の最安値近辺にある。これには人民元が大きく影響している。

 人民元は現在対ドルで今年最安値近辺にある。直近では6.97(CNH)水準と、7.0に接近している。

 人民元安の進行はアジア諸国通貨の競争条件を悪化させる。それがさらに通貨安を促す。従って人民元の7.0超えはアジア通貨安を一段と加速させる可能性がある。

 もちろん7.0超えは中国にとっても好ましくない。資本流出が加速し資産価格の下落に拍車がかかり、債務問題が深刻になる可能性があるからだ。それに米国に貿易問題で更なる攻撃材料を与えることになる。今回見送られた通貨操作国の認定の可能性も出てくる。

 通貨当局者も7.0超えは不都合と表明していることから、管理変動相場制の特徴を利用して介入の強化や資本流出規制も辞さないだろう。その点では7.0超えは近くて遠い。そこに達するにしても時間がかかるだろう。

 それに金融市場でのドルの利上げ見通しに大きな変化があることもポイントだ。フェドファンドの先物レートから類推する米国の利上げの可能性は12月の利上げは変わらないが、可能性は1週間前の8割以上から7割程度まで下がった。それ以上に注目なのは来年の利上げの見通しが3回から1回半に下がった。3月か6月に一度、もう一度は12月だがその可能性は50%だ。

 米国の来年の景気見通しが低下したためだが、ドル金利の状況が変われば新興国通貨のシナリオも変わらざるを得ない。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

2018年10月30日
2018年10月23日
2018年10月16日
2018年10月09日
2018年10月02日

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ