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市場養生訓

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第744回

2018年11月06日

 米国の中間選挙やイランに対する経済制裁の発動と大きなイベントの同時進行で市場は緊張を強いられているが、米中貿易戦争も絡んで市場の消化能力は十分と言えず、消化には時間がかかるかもしれない。

 そうした中でイタリアの火種はくすぶったままだ。イタリアの国債は昨日も売られ、イールドは3.36%に上昇した。銀行株も下げた。米国の投資銀行がイタリアの主要銀行数行のレーティングを下げたからだ。銀行は国債の最大の保有者なのだ。

 国債が売られる原因はイタリアの予算案だ。イタリアの新政府がEC(欧州委員会)に提出した2019年の予算案は受け入れられず修正を求められた。EUの財政規律を順守できない可能性が高いからだ。EUの財政規律には安定と成長の協定に明記された、財政赤字はGDPの3%以内、累積債務はGDPの60%以内がある。これはユーロの価値を維持するための基本ルールとして単一通貨ユーロを導入する際に取り決めたもので、ユーロ誕生後もそのルールを引き継いでいる。

 イタリアの新政府は修正案を11月13日までに提出しなければならないが、今のところ予算案の正当性を主張するばかりだ。公共投資の増加、減税、年金改革の撤回など反緊縮財政を唱える。支出の拡大により景気拡大を図り税収増に繋げる。イタリアの予算案こそ財政赤字を抑制する方法で、いずれ他のEU諸国のモデルになると主張する。

 日本など先進諸国はこうした財政拡大により景気回復を図るべきとし、米国のトランプ政権の政策を成功例に挙げている。

 欧州の金融政策は今年で量的緩和政策を終了の予定だが、景気の先行きに若干懸念が生まれ始めた。そうした中で財政政策が見直されてもおかしくない。はじめはイタリアのポピュリスト政党の無謀な予算案との受け止め方が一般的だったが、金融政策の有効性やトランプ政権での経済成長を考えると、むしろ時代的な意味があるかもしれない。

 とは言っても13日までに何らかの修正案は提出されるはずだ。さもなければユーロにプレッシャーがかかるだろう。ユーロからの離脱はないと副首相は言明しているが、選挙中はユーロ離脱の可能性に触れていた。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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