FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

市場養生訓

最新の記事

第753回

2019年01月15日

 最近人民元の上昇傾向が目立つ。昨年10月頃ドル人民元は7.0に接近し、超えるのではとの見方も出た。中国は債務問題を抱え、成長率が鈍化し、資本流出懸念が広がる中で人民元安傾向が進んだ。7.0はマジックナンバーで、超えたら資本流出は加速し、外貨準備の大幅な減少、人民元安の一層の進行、そして何よりも新興市場国通貨全般の危機に繋がる懸念があった。

 だが7.0の手前で持ちこたえ、直近ではドル人民元は6.75台へと人民元は上昇してきた。

 要因はいくつかある。まずはドル金利の上昇が新興市場国全般の資本流出を促し、通貨安を発生させるメカニズムが働かなくなったことだ。市場では今年の利上げの可能性はゼロとの見方が支配的で、政策当局者の見方も市場に寄り添ってきた。米中貿易戦争も両国が交渉を継続中で、とりあえずエスカレートする事態は避けられるとの見方が以前よりも増えた。

 そして何よりも為替需給の面から人民元の需要が増えたことだ。12月の貿易黒字は571億ドルで、通期では3518億ドルを記録した。一般的に貿易収支に起因する為替は資本収支に起因する為替よりも小さく影響は少ないが、資本取引が規制されている中では貿易収支の為替需給に与える影響は相対的に大きくなる。さらにこのようなケースでは貿易為替が投機為替の指針になることも珍しくない。つまり投機為替の需給にも影響を与える。

 それに5千億ドル弱の外貨準備を保有するロシアが、その通貨構成の中で人民元を大幅に増やしたことも要因にはなるだろう。ドルを売却してユーロ、人民元、円を買ったのだが、人民元の比率は15%弱になった。世界の外貨準備に占める人民元の比率は2%にも満たないが、今後ロシアのような国が出てくる可能性もないとは言えない。

 では人民元高基調は今後も続くのだろうか。限界があると思う。12月の貿易黒字も輸入の減少による点が大きい。つまり景気減速は明確だ。当局は預金準備率の引き下げなど金融緩和措置をとっているが、十分でなく、利下げを含め一層の緩和措置をとる可能性が高い。全体でGDPの300%にも達するとの指摘もある債務問題が政策の足かせになっている。つまり人民元安材料も十分にあるからだ。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

2019年01月22日
2019年01月15日
2019年01月08日
2018年12月25日
2018年12月18日

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ