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市場養生訓

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第776回

2019年07月09日

 5月の旅行収支は黒字になった。日本人が海外へ行くときに手当てする外貨よりも訪日外国人が使う金額の方が多かったためだ。以前は、旅行収支は赤字が普通だった。特にゴールデンウィークや8月の夏休みの時期は赤字が膨らんだ。そのため東京市場の為替の需給はドル不足になる傾向があり、休みの前にはドル円のロングポジションを作る為替ディーラーも少なくなかった。

 これは市場の為替需給をベースにした為替予測だが、為替取引の基本でもある。当日の為替需給が把握できれば為替取引で負けることはほとんどない。輸出入の決済額や先物の予約状況それに外貨送金の金額などを調べる。そのためには顧客取引の多い金融機関、商社、自動車会社、保険会社、証券会社、石油会社などのネットワークが必要だ。新しい生きた情報のためだ。

 ただ資本取引が拡大し、実需為替から投機為替主体の市場に拡大していく中で為替需給の把握は難しくなった。オプションなどのデリバティブの出現もこうした傾向に拍車をかけた。

 そこで金利などを為替変動要因としてその見通しを為替取引の指針にすることが多くなった。資本取引は金利変動により資金が移動し為替が発生するが、投機為替の多くは資金移動せず金利を為替取引の指針にするだけだ。これが現在の外為市場の主流だ。つまり金利変動により為替が発生すると見込んで為替を売買する。実需為替と違って実際に発生するかはわからない。

 先週の雇用統計の発表を機にドル金利の見通しは修正された。それでも金融市場では7月の0.25%の利下げは殆んど確実と見ている(94%の可能性)12月までには3回の利下げが多かったが、2回と3回の可能性がほぼ同じになった。

 つまり金利低下見通しは依然としてとして根強い。

 債券市場でも米国の10年債のイールドは発表後上昇したが、直近では2.04%、2年債も同様で、1.88%だ。依然としてイールドは低い水準だ。

 このように金融市場や債券市場での金利低下観は顕著だが、為替市場ではそれらに見合うようなドル先安観があるわけではない。それはひとえに投機為替の低調さにある。それは為替変動要因としての金利要因の低下なのか、投機為替を担う銀行などの金融機関の衰退なのか、それとも金融市場や債券市場は間違っていると為替市場の参加者は秘かに思っているのか。

 いずれにせよ今週予定されているパウエルFRB議長の議会証言が多少のヒントを与えてくれるかもしれない。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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