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市場養生訓

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第778回

2019年07月23日

 「ドルを利用したいなら各国は米国の制裁に従う義務がある」先週G7財務相・中央銀行総裁会議後に米国の財務長官が言った。ドルの政治的役割をこれほど露骨に公言した米国の政権幹部も珍しい。

 米国のイラン核合意からの撤退そして制裁発動後、欧州諸国はイランの原油輸出を可能にするためのドルに代わる決済方法を考えた。中国やロシアは自国通貨の利用や物々交換などを考えた。だがイランが望むほどの原油の輸出が可能になるには程遠い。政府が旗を振ってもビジネスを担う企業は及び腰だ。ドルの決済網からはじき出されたらビジネスは難しくなるし、罰金を科せられることも覚悟しなければならないからだ。

 国際取引の決済、外貨準備の構成通貨、外為市場の取引通貨など各分野でドルのシェアは圧倒的だ。ドル基軸体制の所以だ。

 もし世界が本当にドル基軸体制からの脱却を目指すなら、世界が一致してユーロの利用を高めることだ。ユーロはドルに次ぐシェアを持つ。長期的には人民元の選択もあるだろうが、現在のシェアはどの分野でも低く、現実的ではない。EUの首脳も米国の制裁を有効にするドルの力を認識して、ユーロの基軸通貨化に前向きだ。ドル、ユーロ本位制のような形だ。そうなれば米国の制裁の威力も低下する。

 同様にドルの威力を背景に自らの判断を世界に押し付ける分野に通貨操作国の認定がある。米国財務省が年二回判断して議会に報告書を提出する。対米貿易黒字額、経常収支額、介入の頻度などの基準があるが、政治的判断の色合いが濃い。通貨操作国の認定を受けると、関税や輸入制限などの措置が取られ、通貨高の圧力を受ける。

 実際に実弾で市場介入をしなくても当該国の通貨は上昇する。いわゆる口先介入だ。ドルを持つ政権や通貨当局のトップの発言の影響は他国とは比べ物にならない。トランプ大統領の場合はツイッター介入とも言うべきか。

 貿易、金利、FEDの議長などについてトランプ大統領はツイッターで頻繁に意思表示してきた。だが為替についてはそれほどでもない。大統領はこれまで米国の貿易赤字削減を目指してきたが、成果が思ったほどでもないと気付けばツイッター介入も躊躇しないだろう。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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