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市場養生訓

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第779回

2019年07月30日

 先週から今週にかけて先進諸国の金融政策に関する会議が行われているが、今日の日銀の金融政策決定会合では大方の予想通り現状維持だった。

 市場全体の半分近くを占める日銀の国債保有残高や長短イールドカーブコントロールなどが示すように日銀の金融緩和の量や質はかなりの水準になってきているが、低成長や低インフレは一向に改善されない。いずれ2%のインフレ率の目標は達成するとの政策決定会議後の毎度の総裁のコメントも空しい。本人も内心ではそう感じているのかもしれない。

 今月上旬にあった議会証言でFEDの議長パウエルは、インフレ率がある程度まで下がってしまうと金融緩和政策が効かなくなってしまう恐れがあると指摘した。これは日本が与えてくれた教訓であると加えた。だからインフレ率がそこまで下がる前に利下げなどの金融緩和策の強化の必要があるとの判断だ。

 FOMCは明日だが、0.25%の利下げはほぼ確実な様相だ。フェドファンドの先物レートから類推する直近での可能性は0.25%の利下げが75%、0.5%が25%になっている。パウエルの議会証言だけから判断するなら、0.5%も考えられる。低インフレ率と低成長率が続くリスクを回避するための予防的利下げの必要性をパウエルが他のFOMCのメンバーとどれだけ共有しているかによるが、そこまでには至っていないだろう。

 先週、理事会が開かれたECBでは現状維持だったが次回の理事会での利下げや量的緩和策などの可能性を強く示した。総裁のドラキもパウエルと似たような認識を持っていて金融緩和策に積極的になったようだが、理事会の他のメンバーの中には金融緩和策の強化を正当化する十分なデータがないとして反対の声もあった。

 為替に関しては、ECB、日銀の現状維持、FEDの0.25%の利下げは市場予想で、織り込み済みと考えられる。FEDが0.5%の利下げならサプライズになる。

 もしパウエルの見立てが正しいとするならば、日銀は今後打つ手がない。手を打っても効果は期待できない。FEDの利下げは金融市場の見込みでは年内に今回の利下げを含めて後2回か3回の可能性が高い。その度に日銀は手をこまねいていることになる。実際には何かをやるだろうが効果の点では虚しい。

 為替相場もそうした状況を織り込んでいくことだろう。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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